〈定期第112信〉
★雪が降るとかなり冷え込んできて、たまらんな。2/2、2/3と降った大雪で岐刑もその周辺も山々も真白な風景に変わってしまったが、水墨画のようで美しいことには美しい。しかし、冷えた。2/4、2/5と零下4度前後でひゅーとくる。工場は金属工場ということもあって、ドでかい換気扇が4、5機回転してて、小さなストーブの熱をどんどん排出していくわ、大扉は頻繁に開閉されるわで、ほぼ外気温と同じになり、バケツに汲んできた水にすぐ薄氷が張り、濡れた布もすぐバリバリ凍るという具合。いやはや今回の寒さは、ここに来てから初めての冷えこみではないかと思う。舎房の窓も氷ができて開けられなかったな朝方。
 この急な冷えこみで、風邪をひく人がドッと増え、2/5の医務巡回(週3回月水金)時に、風邪を申し出た人がなんと16名(工場総人員36名)もいた。そうとう風邪が流行っておるのだなぁ。と改めて思った。
 今冬はインフルエンザが猛威をふるっているようで高齢者や子供に死者が多く出ているようだね。イギリスでは霊安室が満杯で病院外に冷凍車を置いて仮安置しているとか。なにやら怖しい気がしてくる。しかし、まだホントに怖いと云われているH5型インフルエンザが出てきていないので、それほどでもないか。今流行っているインフルエンザでも呼吸器系に問題がある人などは若くてもヤバそうなので、丸ちゃんも充分に気をつけたらいいよ。
 1/18 3連休だったので、丸首シャツパンツが2組洗濯許可。
 1/20 理髪。いつもの髪型でピシッと決める。ま、5厘刈りだから、おのずと決まっちゃうもんだが。刈る部分が少なくなったようだ。
 18:00〜20:00 無災害工場褒賞VTR『ピースメーカー』、ボスニアのテロリスト対アメリカ特殊部隊の闘い。最近はこういう話が多くなった。「正義の味方、米帝国軍隊」やりたい放題といったところか。
 1/22 18:00〜15:00 総集行事カラオケのど自慢大会。各工場から代表1名が出て、総勢13名であった。その他、地元の歌謡クラブから司会者と歌う人が10名くらい出ていた。地元のクラブは、こののど自慢大会にはもう10年以上(20年近く?)来ていてやってくれてるようである。今回はあまりうまい人はいなかったな。こんな下手な人がどうして代表に出てきたのだろうかと思うような人もあった。
 1/24 9:00〜11:00頃 2,3級集会VTR『フェアゲーム』。菓子はドラ焼きと缶コーヒーを選択。300円の菓子代では、こんなところでしょう。しかし、コーヒーはブラックで飲みたいなぁ。
 1/25 官本貸出。私の借りたのは『フォレスト・ガンプ2』ウインストン・グルーム 講談社。ちょっとマンガチックな内容となつてたなぁ。アメリカ人はこういうカンジが好きなのかな。さて、もう1冊は『ジャンゴ』花村萬月 角川書店。どんな作者なのか、試しに読んだがわりとおもしろかったがどんどん読みたいというほどではなかった。
 1/28 書道基礎講座通信教育の事前添削を送った。初めて送る添削であるが、さてどういう朱が書きいれられて戻ってくるだろうか。たのしみである。このかん、けっこう書いているので、いくらか上手に書けるようになったと思っているのだが…。
 告知があって2/1より動作時間の変更とか。これまで入浴や運動がある日については休息時間を無くしたり長くしたりして調整していたのが、そのへん、また少し変えで試行してみるそうだ。例えば、入浴時間が6番目(16:20〜16:35)なら、昼休みはいつもより5分長くして12:00〜12:30で10:00と15:00の休息時間は各15分となり、運動が7番目(13:55〜14:35)なら10:00の休息15分間で昼休みは通常の12:00〜12:25と。運動が3番目(10:25〜11:00)なら小便タイムを10時頃設け昼休み12:00〜12:25、3:00休息は15分間。入浴3番目(15:35〜15:50)なら10時休息15分間、昼休み12:00〜12:25、3時だった休息が繰り上がって2時となり15分間。運動4番目(11:15〜11:50)は10時頃、小便タイムで昼休み12:00〜12:25、3時休息が15分間といったところ。これまで休息が5〜15分でバラついていたのが、全て15分間となったわけで、その分、実働(作業)時間から10分歩引きされることになるそうだ。一応改善というように考えた方がいいのだろう。
 2/2 分類課より、私が応募していた山口刑務所総合営繕科職業訓練生募集の件、不許可との告知。いやはや、職業訓練については私は絶望的なようである。やはり、なんら技術技能を身につけられずに出所せざるをえないということのようである。13年間刑務所にいても先行き不安で放り出される日本の行刑とは何なのだろうか? まぁ、まだ4年半残っているから、これに懲りずにまた、なにか募集が出たら応募してやろうかしらん。
 2/5 官本貸出で『蝉花』山上龍彦 集英社 『明日に再見』森詠 光風社出版の2冊を借りる。『明日に再見』は短編集ながら、おもしろい。まだ、途中。『蝉花』はあのコマワリくんの山上たつひこが書いているとかで、さてどんな内容か読むのがたのしみなところ。
 動作時間の変更について告知があり、感冒対策の為、仮眠時間を設けることとなった。2/6から免業日の朝食後から11:40まで、昼食後から16:00まで(夕食後から)仮眠時間を設けるということだった。昨年と同じような内容だ。このところ風邪かひどく流行ってきたからなぁ。この冷えこみなので、起きているのが辛いね。コタツでもあればいいけど。暖房設備が全くないので冬は寒いと困る。
[差入れ][1/18]『伝説なき地』(上・下)、草の根通信314号、わたげNo32〈平山まゆみ〉 [1/22]26の瞳プラス60のひとみNo43、ゆきゆきて10号、会報かぶとやま1月、人権弁護士安田さんへの弾圧は不当だ福岡緊急集会〈平山まゆみ〉 [1/26]言いたい放題No.73、佐川和男のこと、かすみ草のこと〈高安イツ子〉 救援357号〈QRC〉 人民新聞1/5号、1000号記念名刺広告のお願い〈日角八十治〉 [1/28]支援連ニュースNo.197号〈東武央〉 模索舎月報1月号〈模索舎〉 [2/4]エスペラント1月号、受講生通信62号〈沼津エスペラント会〉 ザ・パスポート79、安田さんの身柄釈放を要請する署名活動に参加して下さい〈帰国者の裁判を考える会〉以上。1/26告知分まで落手。いつもどうもありがとうございます!
 「ごましお通信49号」は久しぶりだね。どうしたのかな、と心配していたところ。私は甲府刑には居ません。トシは腰や股関節に痛みとか。真向法体操ならわずかな時間でできるし、けつこう効果があるかもしれんよ。「糠に釘の裁判所」も「国際化」と時代の流れの中で少しずつ変わっていかざるをえなくなってきているのではないかなぁ。かなり甘い期待だったかな、コレ?
 「プチの大通り56号」あいかわらず幹夫さん智子さん元気でやっているなぁ。体調が少しわるいそうですが無理することなくやっていって下さい。大島英三郎のことは初めて知った。大島さんとは1回だけ面会しただけであったがわりと若いなーという感じがあったように思う。昔からのアナキストってのは、どの人もかなり個性的な人たちばかりのようだなぁ。それは、オノレから始めてるからかな。組織があって自分があるのでなく、まず自分があって自分から始まって運動しているという。私もどっちかというとアナキスト的人間だものなぁ。どうも組織に縛られるのはいやな方だから。これからの時代はアナキズムの時代だ、と。住民投票の運動もなんかアナキズム的な気がするし…。
「ぎ・お・んまちだよりNo.4」も3号冊子の危機を免れたか?! おめでとう!といったところかな。No.3の意地悪そうな顔からグヒッヒッヒッと笑いが洩れてきてたよ。さて、健康法だが、とにかく自分に合った健康法を見つけるってところだろうな。それには、何でもとにかく試してやってみるのがよかろう。私などこれまであれもこれもと、できるものは試してみてきたからね。そう劇的な変化が出てくるってのは、そうそうなかったけれど、もうながいこと獄中生活しているが腰痛で苦しむことはないから、そのへんわりと効果はあるのかもしれないね。あと、たいした病気になったこともないし…。そういうこと考えると、今やってることは、効果はありってことか。真向法体操なんか、すでに10数年いいかげんだが続けてる。足の裏を揉むってのも本読みながら続けてるしな。
 まゆみちゃんの場合、「食」の面からやっていくのもいいかも。料理が得意でない、なんて言っているのは自分が食べるモノに気をつけておらずたいせつにしていないからじゃないの。医食同源だね。私なんか逃亡中は拘禁中とちがって自分で料理できたからいろいろ作ったものである。玄米食もずつと続けていたしな。カンガルーの刺身ってのは喰ったことがあるが。「ゆきゆきて10号」の裏面の8行ほどが全抹消されてる。岐刑関係のことでも書いてあったかな?
 佐川さんと言えばマンガであるが、最近あの4コマ漫画に磨きをかけてきているのだろうか。私似のマンガは、かなり鋭く描かれてるが、どこか面会所あたりで私と逢ったことがあるのかなぁ。? 私の特徴をよく把んでいるものなぁ。私は佐川さんらしき人を見たことがあるのだが、あれがそうだったのかな。佐川さんのマンガは昔出版社に原稿を持ち込んだらしいほどだから、かなりいけるのだろうが、長編は作らないのかなぁ? 4コマより長編の方がストーリーを考えなければならないからむずかしいのかしらん。でも佐川さんの長編マンガってのをいつか読みたいものだと思うのだが、描く気にならんかな。絵と云えば私も今回コンクールに『蛍の夜』と題した水彩画を出品したのだが、やはり落選してしまった。私には絵の才能がないのかもしれないな。しかし、ヘボであろうと描くのが好きなのだからヘボな絵を描きつづけるぞ。
 とにかく冷えこんでたまらんね。すでにインフルエンザに患ったのでもう大丈夫だろうと思うが、早く暖かい春が来ることを願いつつ…ではまた便りします。 元気で! 1999.2.7 Shaco記


SHACO
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