〈定期第116信〉
 梅雨らしく、雨がよく降る。降りすぎというべきか。こんな空模様のときには、私の心模様も同じようなカラーになっていってしまうので困るが。
 早くカラッとした青空の日が続いてほしいものである。
 6/8 富山刑務所木材工芸科職業訓練性募集の告知あり。耳をすまして聞いてみれば、刑期8年未満の者が対象、ほかいろいろ条件厳しく、私ではとても無理。
 6/7 より、夏期処遇のひとつである、入浴の週3回化。その分、運動時間が減らされるので、そう嬉しくもないが。
 6/9 定期レントゲン撮影(胸部)。これでまた放射線を浴びて蓄積量が増えてしまった。
 岐刑製作品が法務大臣賞などを授賞したので褒賞VTRを視聴させるとの告知あり。
 VTRは『ディープインパクト』とか。
 6/12 1年以上無事故者褒賞VTR『エグゼクティブ ポジション』(9:00〜10:30ころ)
 6/13 報道教養VTR『ときめき歴史館 鹿鳴館の女たち』
 6/14 工場での扇風機使用許可。扇風機が回っても、そう大して涼しくなるってわけではないが、ないよりは良いか。
 6/15 居室消毒。東拘では、便器のところだけにシューッと消毒薬を散布していたのだが、岐刑では、扉から室内にブワーッというカンジで散布していってるようだ。
 分類課より呼出しなので行ってみると、左官科自所職業訓練はダメ、との告知であった。私のほかにも幾人かが呼出されていたが全員、ダメだったようだ。今年は基準を満たした者はいなかったということなのかしらん。
 官本2冊借りた。『天の瞳(幼年編下)』灰谷健次郎、角川書店。『堪忍箱』宮部みゆき、新人物往来社。『堪忍箱』は短編集だったから、あまりおもしろくなかったな。『火車』はけっこうおもしろかったけどなぁ。
 6/18 18:50〜 法務大臣賞授賞褒賞VTR『ディープ インパクト』。こりゃあ、『アルマゲドン』と同じような話だったな。まゆみちゃんからの差入れの映画パンフからの知識だが。なんかCGとSFXばかりでどうもなぁ、ワタシャ、アナログ人間ですけん。
 山口刑務所左官科と数値制御機械科職業訓練性募集の告知。他刑へ行くやつは、まずダメなことはわかってるのでやめておく。
 6/19 9:00〜10:00 川柳クラブ。とうとうたった2名となってしまった。懲罰となると、クラブも除籍されてしまうのでどんどん少なくなっていくのであった。文芸サークルは生き残れるか?! ただでさえ文芸サークルなどに入ってくるやつは少なくなっているというのに困ったものである。
 13:20〜 慰問演芸会。演歌の多岐川舞子、佐川みずほという2人の歌手が来た。このところ、照明にえらく力が入っているので、暑くてしょうがない。この暑い時期に、カーテンを閉めてやるのだから。
 6/20 この日もTVを見ていたが、なんだTV朝日『サンデープロジェクト』は、国会で上程されている法案のことやらんのかい?! 盗聴法のことをまたやりましょう、なんて言っておきながら世論が熱くなっちゃうと困るから、やらんのだろうか。ここ最近、マスコミの動きがおかしい。問題のある法案のことをあまり取り上げず、サラッと流しているだけ。悪法成立を助けているようだ。もうかなりの危機。マスコミの犯罪性がさらにハッキリしてきたってところか。
 『サン・プロ』を途中でやめて、NHK総合TV『課外授業ようこそ先輩』を見る。写真家橋口譲二の気の抜けたようなカンジのがいい。こうしう授業は、子どもたちの心にかなりしっかり刻みこまれることだろう。
 6/21 夏期処遇へ一部変更。(1)工場、舎房でのウチワ使用許可、(2)居室の食器口開放。
 食器口開放で風の通りがよくなって、涼しくなるので助かる。
 6/23 18:00〜無災害工場褒賞VTR『ロスト・イン・スペース』。これは昔、TVでやっていた『宇宙家族ロビンソン』とかいうシリーズもののリメイク版かな。ラストがどうもシリーズ化へむけてのカンジ。これまたSFXとCG、お子様ランチといったところか。
 テニス試合もあった。わが工場が勝ったが、それでまた運動時間がなくなるので少々困る。運動不足になるとストレス発散できず。
 中日新聞(東京新聞)の『この人』欄に太田昌国さんの紹介記事が載っていた。
 6/25 衣替え(長袖上衣、長ズボン→半袖上衣、半ズボン)。夏期処遇へさらに一部変更。
 (1)居室での丸首シャツ姿許可。(但し、出役用意がかかったら、と点検用意がかかってから終了するまでは上衣着用。)(2)上衣の一番ボタン外し許可。
 18:00〜 諸動作優良工場褒賞VTR『フラッド(原題HARD RAIN)。米国の映画のいいところは、警察が必ずしも正義で登場せず悪玉になってやられるというところだな。
 「人」紙6号回覧。人物列伝という記事に、たんさん規則をつくって守らせるより、自分たちでつくらせたひとつの規則を守らせる方が効果的だ、というような内容が書かれてあった。そのとおりだが、刑務所でもそうしてくれるといいと思うなぁ。
 一般官本2冊借りる。ジェームズ・ハーバード『月下の恋』学研、野呂義道『サンパウロの暑い夏(日系テロリスタの闘い)』講談社。『月下の恋』はホラーだ。ホラーというのは、それでどうした、というカンジで残らないなぁ。『サンパウロの暑い夏』は、これまで知らなかった日系ブラジル人左翼の生き方がわかってよかった。
 6/27 9:00〜 2級集会VTR『アベンジャーズ』。菓子は(A)アイスクリーム+チョコクレーク+スイスロール (B)アイスクリーム+チョコフレーク+カラムーチョがあり、私は(A)選択。
 6/28 3枚目の毛布引上げ。テニス試合。また勝ったのでふう。
 6/29 私費通信教育受講生募集の告知。
 7/1 工場内食堂の扇風機使用許可。7月は作業安全月間、そして社会を明るくする運動月間でもある。社会を明るくする運動月間中は面会・発信ともに増1回となる。
 先日、地元CBCTVが岐刑に取材に訪れたそうだ。それでその時の内容がこの日放送されるので、特別にTV視聴させてくれることになった。岐刑が出てくるのは、18:30〜のCBCTVニュースワイドの中の3分間『塀の中も不況』というテーマで。TV視聴時間は18:00〜20:55だったが。内容は刑務所も不況の影響で受注がすくなくなって1/2となり、受注してもらうため会社訪問しているといったものだったかな。こういう時期ならば、社会に出ても役に立つ、職業訓練をもっと多くやれるようにしたらいいとおもうのだが。しかし、私のいる金属工場のパイプ椅子は、ひどく仕事が入ってきて忙しい。
 7/2 居室でのフマキラー(殺虫剤)使用許可。独居はプッシュ3回、雑居はプッシュ5回まで。
 7/4 医務課VTR『エイズ予防』
 7/5 屋外運動時のシャワー使用許可、40秒以内。

[差入れ][6/8]安田さんを支援する会NEWS No.4、組対法反対共同行動ニュース20号、ぎおんまちだよりNo9〈平山まゆみ〉 キタコブシVOL80〈キタコブシ〉 [6/14]人民新聞4/25号、はがき通信〈日角八十治〉 [6/17]死刑と人権No.106、宮崎学講演会〈かたつむりの会〉 草の根通信319号、かぶとやま〈平山まゆみ〉 [6/18]救援362号〈QRC〉 日雇全協ニュース96号〈日雇全協〉 ザ・パスポート83、2001年連帯の旅、5.30リッダ闘争27年に際し、署名への呼びかけ、ベイルート5人関連年表、帰国者の裁判を考える会御中、5.30集会メッセージ〈帰国者の裁判を考える会〉 [6/22]いのちの絵画展+福岡プレイベント+坂上香講演会、わたげNo34、『日本人の人権白書』〈平山まゆみ〉 新生538号〈立志社〉 [6/23]模索舎月報6月〈模索舎〉 『インパクション114』〈インパクト出版会〉人民新聞5/5号〈日角八十治〉 支援連ニュースNo.202〈東武央〉 監獄人権センター通信No23、死刑囚最後の部屋、監獄人権センターセミナー1999〈CPR〉 [6/30]シャコ通信No.12〈東武央〉 [7/1]領収済通知書、分割納付書申込書〈岐阜北社会保険事務所〉以上。

 6/8差入れ告知分まで落手。いつも差入れどうもありがとう。
 「ごましお通信51号」の4頁下段の「追記」の6行と最後の名かなんかが全て抹消。さてなんだろう?!
 PTA副会長就任おめでとう。状況が急激に右旋回してきたので、これまで保守的なものでも、抵抗の拠りどころになりうるってところかな。
 「救援361号」の5頁ー「小特集・監獄の実態」記事の動作要綱のごく一部という3段にわたる57行が全抹消。「監獄通信No71」の10頁の「日本赤軍コマンド」の個人名が抹消。これと同じ名前だろうと思うが「ぎおんまちだよりNo.9」の1頁下から3行目の個人名が抹消されていた。逮捕時の写真で長髪で踊っているような髪の私とは、18才の私である。昔の写真をずっと載せてるんだよなぁ、困ったもんだ。「やせる前の林真理子」ってのはあの写真を見てのことであって、実物は違うでしょ。写真うつり悪い人ってのはいるもんだっちこと。パソコンは、私も出たらやってみようと思っている。中古だとかなり安くなってるらしいし、粗大ゴミになってるのを拾ってきてもいいかなぁ、と。

★99-5月分作業賞与金 1等工9割増(基本給5,004円) 9,508円
 また暑い夏がやってくるようだ。頭の方もボーッとしてきて、考えることもスローダウン…はいつものことかな。まあ、バテることなくいきましょうか、ではまた!
                                 1999 7.4 Shaco


SHACO
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