〈定期第117信〉
 梅雨明けが7/22であった。今年は昨年に比べるとそう雨は降らなかったようだな。ともあれ、またクソ暑い夏の到来となってしまった。
 暑いのはどうも苦手でね。頭がボーッとしてきてものぐさになってきてしまう。冬眠ならぬ夏眠の季節である。とくに獄中者の夏というのは大変であるから。東拘の自殺房にいる仲間たちなど、まさに灼熱地獄の中、というカンジで大変だろうけれど。それに比べたら、私の状況などかなり、楽とは言えるだろう。熱射病で体調崩さないように…熱中症だったかな。
 7/5 野外運動時のシャワー使用開始。グランドを走り回って大汗かいた後に浴びるシャワーがなんとも言えず気持ちが良いので、私はいつも浴びている。しかし、シャワーを浴びると、かえってだるくなってしまう人もいるらしい。
 昼休みに作業安全ビデオ(40分間)視聴。
 会計課から呼出し、平山まゆみさんからの送金とのこと。開封し通信文なく現金のみを確認し、受領印を押してきた。夏のボーナスでしょうか、深く感謝していただく。
 7/6 告知放送がある。(1)感染症予防及び血液検査について。最近は年に数回はこの告知があるな。(2)えり布、枕カバーなど洗濯日当日の起床時まで外さないようにとのこと。洗濯物を出すときすぐ出せるように前の晩から外して用意しておく準備のよい人がいたのだろうか? そうあわてることないのだが。刑務所の洗濯というのはそうきれいにはならんみたい。かえって汚れて戻ってくるときもあるし。なにせ、ギューギュー詰めて、すすぎもそう何回もするわけなさそうだしな。
 7/7 8/1より、「所内生活の心得」の日用品所持の項一部変更についての告知。要するにボールペンの青、黒、赤が各一本所持できるようになるとのこと。今後は手紙も三色で書ける、ということかな。
 7/8 (1)敷布団を順次交換していく。2級者は布団皮、綿とも新品、3、4級者はフトン皮は新品だか綿は打ち直したもの。(2)作業安全月間に入ってから災害事故が2件(軽症)起きているので注意するように。との告知。
 敷布団交換については、これまで2級も3、4級も差はつけてなかったように思ったが今回はちがってきたな。他の刑務所では2級と3、4級との差はけっこうつけているところもあるが、ここでは2級でも中古がくることあるものな。そのへんで処遇上に変化がでてきたのだろうか。
 7/12 さらに夏期処遇へ一部変更。平日の夕食後、免業日(休日)の朝、昼、夕食後の拭身許可。独居は3分間以内、水3杯以内、雑居は5分以内、水3杯以内。上半身裸体で拭身することも許可となった。拭身するのにシャツ着てなんか不便でしょうがなかったよ。
 7/13 掛布団、えり布引上げ。部屋の中がすっきりとしてきた。
 名古屋刑にての建設機械科小型車輌運転職業訓練性募集の告知があるが、制限があってだめである。
 岐阜市役所税務部市民税課より県市民税申告書が送られてきた。2003年まで所得は全く見込めないと書き込んで送り返す。
 7/15 敷布団が新品のものに交換されてきた。フカフカであるがどうせなら秋にやってほしかった。
 講堂のカラオケ装置を旧式のものからレーザーディスクのものへ交換するとの告知。屋内運動(雨天時)の時、講堂でカラオケもできていたのだが、旧式のためか、やる人が極めて少なかったのだがこれで、増えるかな。
 7/16 独居房に帰ってみたら、棚のタオル掛けの塩ビパイプが透明なビニールパイプに変わっていた。パイプというよりホースといった方がいいくらいやわらかいものでタオル1本掛けただけてせ、しなってしまうものである。少し力をかけるとはずれてしまうしね。先日未明に救急車が来ていたが、その影響かしらん。
 7/17 慰問演芸会。「篠原竹吟 津軽三味線演奏会」。暑い日であったこともあるし、三味線、民謡など不人気だったようで、観客としてのマナーが悪かったのか、あとで教育統括が注意していた。夏の暑いときってのは総集行事はやめておいた方がいいかも。舎房でビデオでも見ていた方が楽でいいけれど。
 7/18 8:50ころ〜9:40ころ 報道教養VTR『ときめき歴史館 戦国の魔法戦法』。
 7/19 昼、作業安全ビデオ(25分)視聴。ウナギ丼が昼食に出たので、夏バテしないように栄養をとった。
 被収容者美術作品コンクールのための絵画道具一式と画用紙2枚が貸与された。どんな絵にするか、今のところ定まらない。今年は貸与期間が短くなってしまった。昨年までは2ヵ月位あったが、今回は1ヵ月ほど。のんびり描いてられんな。
 7/20 市販のプリン特配。
 7/23 8:20ころ〜 諸動作優良工場褒賞VTR『沈黙の陰謀』スティーブン・ヤガール。
 7/24 氷菓子「井村屋輪切りパイン」特配。  7/25 9:00― 2級者、3級者集会。VTR『トウルーマン・ショー』菓子は(A)ロールケーキ(1本)、グリココロン、アイスクリーム (B)八百津せんべい(1袋)、グリココロン、アイスクリーム。私は(B)。

★今回借りた官本。[7/5]野々村馨『食う寝る坐る永平寺修行記』新潮社、笹山久三『とおい夏の日―四万十川ものがたり』河出書房新社。永平寺の修行は刑務所よりきつそう。 [7/15]ニコラス・エヴァンス『ホースウィスパラー』(上下)新潮社。なかなかおもしろく読めたが、ちょっと「マジソン郡の橋」みたいなカンジのところもあったりして。[7/23]アキフ・ピリンチ『猫たちの森』早川書房、スー・ハリソン『兄なる風』(上)文社晶。

★[差入れ][7/5]ぎおんまちだよりNo.10、26の瞳プラス60のひとみNo.45、安田さんを支援する会News No.5、ゆきゆきて12号〈平山まゆみ〉 現金5,000円〈平山まゆみ〉 [7/6]新生539号、同540号〈立志社〉 [7/7]週間金曜日6/18号〈永井迅〉 [7/12]かすみ草号外7号〈かすみ草編集委〉 [7/14]県市民税申告書の手引き、県市民税申告書、県市民税申告書(控)、簡易給与所得表〈岐阜市役所税務部市民税課〉 [7/16]ザ・パスポートNo.84〈帰国者の裁判を考える会〉[7/21]模索舎月報7月〈模索舎〉 救援363号〈QRC〉 人民新聞5/15号、同5/25号、同5/15号号外、はがき通信〈日角八十治〉 [7/22]ゆうき凛々37号、なぜ安田弁護士は保釈されないのか〈永井迅〉。
 いつも差入れどうもありがとう!
 「支援連ニュースNo.202」で将司が批判されているとのことだが、とりあうことはないのじゃないかな。東拘内での証人尋問はけっこうおもしろそうでよかった。丸ちゃんが「ええかげんにせぇ自自公」と怒ってるがええかげんにすることなく、どんどんいっちゃってるな。あれよ、あれよという間にえらいところまで来ちゃってるぜ。TVを見てて思うのは危機感が伝わってこない怖さ。マスコミが翼賛体制を支えているってことがよくわかる。
 「CPR News Letter No.23」は抹消なし。
 「ぎおんまちだよりNo.10」は、2頁のFromゆき子の次の文章が5行とFromナントカが抹消されてるな。丸ちゃんあたりま手紙文かな。みなさんお元気そうというのはホント! 上野さんもあいかわらずの若さでスゴイ! ニカニカ笑いのこの人は幹夫さんかな。なんか10年近く経つと私の方もえーと、とボケてきてしまってるのかも。勝子さん、幸子さん、智子さんと、お元気そうでよかった。ツーショットの方は貫禄のついてきちゃった人もいたりして。絵画展の方は成功したのかな。若干元気なさそうなのは疲れてるためか。

★あいかわらずTVをよく見ている。科学ものを見るのがたのしい。NHK教育TVの『サイエンスアイ』と『ジュニアスペシャル』などでよくやっている宇宙ものは、とくにおもしろい。『サイエンスアイ』が月1回やっている宇宙デジタル図鑑は欠かさず見ているしね。こういうのを見ていると小さな地球でゴタゴタしているのが愚かしく思えてくるが。それから、ダイオキシンを分解してしまう技術の存在などもわかったが、『新生』紙にも書いてあったがコストから、そうした技術があっても使われないことが理解できたし、なかなかためになる。
 TVばかり見てと言われてしまうだろうが、本1冊読むより時間があまりかからず、たくさんの知識を得るのには好都合なもんでね。NHK教育でやっていた10代の言い分というような内容の番組もオジサンにはなかなか勉強にはなる。10代のファッションとか食べものとか。ヒェーッと言うようなカンジで見ている。チョコだけを毎日食べているとか納豆おにぎりばかりの子とか。おいおい! 将来、健康は大丈夫かい?! と心配になってくるような子がいたなぁ。けっこうしっかり考えている子もいたりして、そう心配ばかりでもなかったが。子どものときにきちんと食べていないとあとでガクンときてしまうからなぁ。
 最近、農業を始める人が多くなってきたというのも、TVでよく見るようになったが、なんとなくわかるね。

★作業賞与金 6月分 1等工9割増(時間36円)〈基本給6,048円〉11,491円
 クソ暑くて、ナマケモノ化しそう。このころ熱帯夜だし、夏よ早く去れだね。
 1999.7.25 Shaco


SHACO
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