〈定期第138信〉
 寒くなってまいりました。早朝は、独居房の窓ガラス(アクリルボード?)も白くくもったりするほどである。それにしても冷えこんできたなぁ。東京でこの位だらか、岐阜の方もけっこう冷えこんできているかもしれんなぁ。しかし、東拘に居ても昔ほど寒く感じないのは、スキ間だらけで風通しの良い旧北舎でなく、新北舎に居るからであろうか。
 昔ほど霜焼けもひどくならないね。しかし、それなりにできてはいるが。これから冷えこみがきつくなってくると、さらに進化していくだろう。そして、そろそろインフルエンザの季節である。すでに流行し始めているようだし、そっちも気をつけないとね。
 あと数日で出廷の日なのだからな、風邪ひいてしまったのでは、証言もうまいぐあいにいかんごとなる。
 11月20日(月) 雨降りであったため、屋上運動に出たが、雨よけのひさしの下で雨宿りしながら建築中の新東拘をずっと眺めていた。出獄したら、絶対に行くからな。2005年完成だから、私が出獄した時点でも、まだ未完成かな。
 差入れ告知→救援379号〈QCR〉、シャコ通信〈東武央〉ありがとうございます!
 Q援紙には、ゆきちゃんが公判報告を書いてくれたな。御苦労さん。
 一般官本で青木雄二『ナニワ金融道』というマンガを借りた。なかなかおもしろし。
 夕食にウインナー缶が1缶まるごと給与、勿論中身だけ。こういうオカズもあめわけだ。
 11月21日(火) 午後の入浴。自民党のゴタゴタおもしろかったのに、加藤の頑張りがもうひとつだったな。もうすこし頑張ってくれたならけっこうたのしめたろうに。しかし、もう自民党もダメだってことか。
 「わたし味方です通信No4」が舎下げされてきた。『クラクラ日記』というのがあるのだから「イライラ日記」というのがあっても良い。啓明君もいよいよ反抗期か、しかし、母ちゃんのパワーには負けちゃうだろうな。映画『ホワイトアウト』の内容はしらんかったのだが、そういう内容であったか。US映画でよくある反「テロ」映画の日本版というやっちゃな。されも東ア〜のことをかなりモデルにしたカンジ。こういうので刷り込みされたんでは、こまるなぁ。
 11月22日(水) 午前の屋上運動。2級集会を独居房で一人行う……と言ってもビデオ無しでただ菓子を食べるだけであるが。勿論、作業時間外に。菓子は、MEijiチョコレート1枚、揚げせんべい2枚、饅頭1ヶ、ドーナツ3ヶ、明治牛乳1パック。大体300円位かな。
 岐阜刑と違って選択はできないようだ。色々なものが少しずつというのもそれなりに良いか?! しかし、ビデオが見られないのが、なんともチェッ!!である。ま、それはそれとして、たまにはお菓子をこうしてガバッと食べるのも良い。こういうのがたまにないとね。なにせ私の周囲は未決囚ばかりで昼すぎになると「両の271、甘夏2、センベイ1…」などと差入れがあちこちで交付されている声がしてきて、ムッムッと思ったりして、あきまへん。しかし、お菓子をドサッともらって食べても満足感はないなぁ。甘党ちゃうからなぁ。
 『刑務所の中』はおもしろかった。北海道の方は、岐刑とは、また少し違ってたりしてるな。こまかい処遇面では、ということだが、短期と長期という違いもあるのだろう。
 11月23日(木) 免業日。饅頭1ヶ特配。ちょっとさびしい祭日食(特配)であった。
 11月24日(金) 午後の入浴。捜検があった。昔と違って1ヵ月に1回程度しかやっていないみたい。ここへ来てからまだ2回目。私は懲役で所持品も少ないのですぐ終わるわな。
 差入れ→「宇賀神同志へ直接質問したいこと」ゆっこコピー3枚、「(重信)勾留理由開示法廷に際して」コピー4枚〈川村弁護士〉。ゆきちゃんから届きました。いよいよヤル気だよ。こりゃあ、しっかりせんとあかんのかしらん。少しだけ頑張ろうかな、と。あんまり頑張りすぎても疲れるし……なんて言うと怒られてしまうだろうな。重信さんの文章を読んで、少々安心(?)。逮捕されても、へこたれずあいかわらずのネアカのようでよかった!?
 11月25日(土) 免業日。毎週土曜日昼のパン食は、それなりに楽しみとなってしまった東拘生活。
 11月26日(日) 免業日。ラジオはつけっぱなしである。
 11月27日(月) 晴れて午前の屋上運動。官本で『ナニワ金融道』(3)(5)を借りた。面白し。
 差入れ→支援連ニュースNo.219、12/2〜〈東武央〉、模索舎月報11月号、アンケートのお願い〈模索舎〉。いつもどうもありがとうございます。夕食にサケ缶、まるごと1缶出されたな。最近だすようになったか?
 11月28日(火) 午後の入浴。差入れ→監獄通信No76〈UPUO〉、多田謡子反権力人権賞〜〈多田謡子反権力人権基金運営会議〉、人民新聞1060号、返信用ハガキ〈日角八十治〉。いつもどうもありがとうございます。
 11月29日(水) 午後の屋上運動。本日は敷布団乾燥であったが青空はそう続かなかったな。理髪もあった。これがなんと1ヵ月半ぶりである。東拘では理髪夫1名で全収容者をやっているので20日に1度なんてとてもできないそうである。ともあれ、よかった証人出廷の1週間前に刈れて。刈れなかったら、大変であった。生えてるところと生えないところがくっきりしてきて、見ばえがよくなってきた今日この頃であったからなぁ。
 回覧の読売新聞を読んだら、花岡事件の裁判で和解との記事があった。よかった!という思いで一杯である。しかし、そう手放しで喜べない。中国と日本の心ある人々の協同の力のたまものであることはそうだが、企業側の損得勘定から出さざるをえなくなったということなのだろう。中国という大市場へ侵出するためにも、いつまでも反人道的姿勢をとっていられない、といったところか。日本国内の右傾化状況を見るかぎり、人民側の力が強くなったというわけではないからね。日本国内の人民力量は、さびしいが国際的な人民力量は少しずつ強くなり始めているってことかな。そうも言えぬか? シアトルのWTOを見よ、かな。
 外圧によってしか日本の「健全化」は達成できんや?!
 差入れ→『笑うな目が歯に焼ける』、80円切手×8、50円切手×2切手シート〈平山まゆみ〉。いつもどうもありがとうございます。法廷でニヤケすぎる私のための本かしらん?
 11月30日(木) 午前中の屋上運動。夕食にまた缶詰1缶付く、モツ煮缶。ま、その分オカズ1品減ってるみたい。
 差入れ→ゆうき凛々11/25、再審研究会記録2000年11月〈永井おジンおジン〉。いつもどうもありがとうございます。
 川村弁護士が面会に来た。どうやら最後の面会というカンジ。12/7は1時間ぐらいで弁護側は終わりそう。ゆきちゃんも尋問しようと考えてるそうだ。さてどういうことになるでしょ。ムフフフ、と。あと検事からも少しありそうだが、簡単に終わってくれりゃあいいが。重信さんの面会にも入っておるとか。彼女もこれから大変そうである。便秘で苦しんでるそうだが、便秘なら飲尿療法やれば一発で通りが良くなるから、試してみたらどうでしょうか? ゆきちゃんは否定的かな。またガサ入れが40数ヶ所に行われたそうだが困ったものである。
 12月1日(金) 午後の入浴。「救援」379号に『新宿鮫』のこと書いてあったので、官本に丁度あり借りた。
 岐刑より書道の会誌と手本送付されてきた。きちんとやってくれるので感謝しておこう。
 舎下げされてきたもの→支援連ニュース219号、12/2〜、官獄通信76号、模索舎月報11月号、アンケートのお願い、多田反権力人権基金賞〜、人民新聞1060号、返信用ハガキの計8点。「支援連ニュース219号」の広子のイラストあいかわらず良いね。エスペラントは学びやすくていいよね。これから始めると欧米の民族語(ラテン語系)はより学びやすくなると思う。将司もあいかわらずで、よろしい! 岐刑にもオウムの人が1名居るな。私とは別の金属工場に。ゆきちゃんもしっかり公判報告書いてるなぁ、御苦労! ホッカロンもハンテンもいいじゃないか。根性論はあきまへん! 身体が寒い!暑い!と訴えているときにはされに従おう。身体は人民である。人民に合わせてイケ! ということかな、と。
 ふうさん、Tさん、関根君の感想もどういう風にみられてるかってのがわかって良いです。そうカッコよくないんだよねぇ、カッコつけるときつくなるのでそのままいくことにしてるのダ。オイオイ「いいおじいちゃん」になっちゃったの私? 玉手箱開けたあとの浦島太郎かしらん? 
 丸ちゃんからいろいろ書いてきたなぁ。岐刑でも20cmのロールケーキは年に何回も出てるど。出んのは東拘くらいなもんだっち。早く岐刑へ戻って、最新(?)の映画ビデオを見たいぜよ。舟木弁護士が面会に行ったら、丸ちゃんフラフラになって出てきたって話があるが大丈夫かなあ。
 仮釈期待していないっていう姿勢なら、それならそれで獄外としても、丸ちゃんを獄死させないためのプロジェクトチーム(?)を作って対策をしっかり考えていってもいいのかもしれないね。黒川君とYQで下獄前に考えていた対策を参考にして、ちょっと考えてみたらどうでしょう? そして1年くらいは様子を見るのがいいかもね。管理する側も丸ちゃんも、お互いのことをよく把握してからの方がいろいろ考えるのにはいいから。宮刑も丸ちゃんに対して構えすぎてるところあるだろうから、時間が経てば緩和されてゆくだろう、多分。そんなことないか?!
 反権力人権基金の受賞発表会も12回となったか。しかし、いつまでも多田さんの姿は鮮やかに思い出されるね。
 監獄通信26号、なかなか内容濃くてよかった。ちょうど東拘にいるから、よかったところか。ああなるほど、と。岐刑では今春から、点検は正座か安座という二択になって、所内生活の心得もそのように改訂されたのだが、東拘は、あいかわらず正座点検なんだなぁ。ちょっと驚いた。回覧新聞で死刑執行を知った。外からの情宣の声。
 12月2日(土) 晴れで免業日。
 12月3日(日) 曇りで免業日。昼食にカンパンとコーヒーが付いてきた。カンパンもなかなかおいしいものである。11月分作業賞与金943円、だった。
 12月4日(月) 午前の屋上運動。差入れ→シャコ通信No34〈東武央〉。
 12月5日(火) 午後の入浴。あまりの冷えこみに、未明、目がさめてしまった。毛布2枚は寒い。早く1枚増貸してほしいもんだ。
 12月6日(水) 午後の屋上運動。3枚目の毛布増貸(やっときたぜ!)。体重測定(59kg)少し減ったかしらん。
 岐刑より書道会書家誌手本送られてきた。書家誌見ると、カナは5級に進級、楷書、草書は6級のまま。ウシウシ。
 ゆうき凛々(速報)、再審研11月が舎下げされてきた。私のグチをまともに受けとめてくれるなよ。今回の出張(?)はけっこう楽しんでるから。久しぶりに東京へ来て、仲間たちに会えて私にとってはいろいろ収穫のあった3ヵ月になったよ。ホント。明日も頑張るぞ!
 とその明日つまり今日、本日只今戻りました。18:40還房。仮監に2時間も坐ってたど。ホッとタメ息が出た。
 12月7日(木) 快晴である。今日は傍聴席が満杯だったので少々驚き、見学ツアーでもあったのか?
 弁護人の尋問はかなりあっさりとしたカンジで終わり。私の話下手に裁判長も「もうそれでいいですから……」と。そしてゆきちゃんの尋問。オイオイ足ふるえておったんじゃないか? 声もふるえておったが、文章の勢いのよさはどーした?! ま、ひとのこと言えんけど。しかし、なんとかやりとおしたでよかった、よかった。それにしても私はホント話下手である。検事にも教えられてしまったし……。なんで女性の検事が2名もいたの?
 とにかく私は肩の荷がおりたカンジでホーッ! 公判報告はゆきちゃんにおまかせ!
 「もう来れないから3年後に会おうネ」とか言ってたと思うが、同じような声の人が「遠くから来たんだよ〜云々」と怒ってたみたいだったが、空耳だったかしらん?! 『カムバックミー!』と叫ばれてもシェーンは立ち去って行くのであった。
 さて、次便は岐刑からか東京からかドッチ?! ではサラバ!元気で!
 2000.12.7夜 Shaco記


SHACO
inserted by FC2 system