〈定期第143信〉
 まだ2月だというのに、けっこうな暖かさの日が続く。さすがに温暖化であることよ。極点の氷がとけ出すわけである。ノアの大洪水まで、あと少しである。浄化されし地球は、水の星の名にふさわしき状態となるのであろうか、ワク、ワク。
 暖かくなってよかった。これで霜焼けともしばしのお別れである。なごりおしさなんて微塵もないけれど……マゾ的なもの足りなさがあったりして……。
 東拘出張の緊張感がやっとゆるんできたのか、風邪をひいてしまった。症状としては、喉の痛みから始まって、痰、寒気ときて咳となり、回復し始めるまで大体1週間くらいか。周囲の人間の症状もほぼ似たようなものだから、流行性のものといったところか。しかしけっこう軽くすんだ、といったところ。例年だと、病舎に入病といったところだものな。熱がそう出なかったからよかったのだろう。
 今冬は、全国的にインフルエンザの流行は下火気味だったそうだが。
 2月5日(月) 野外運動(11:15〜11:55)広いグランドでのランニングは気持ええわい。一般官本2冊借りる。藤沢周平『竹光始末記』新潮文庫、奥村美香『ボケ老人宮下じいさん絶好調!!』講談社。『竹光始末記』は以前読んでしまっていた本だった。いよいよ私もボケてきたのか?
 2月10日(土) 冷えこみがあいかわらずきつい。夕食後、ショウガ湯給与。
 2月11日(日) 午後1時半頃、ドーナツ2ヶ給与。
 2月13日(火) 入浴(16:20〜16:35)。特別官本2冊借りる。『新手話を学ぼう(生活編)』福村出版、『新選国語辞典』小学館。貸出期間は1ヵ月。辞書は2ヵ月なのかな?
 2月14日(水) 野外運動(14:35〜15:15)。定期体重測定があり、60Kgとなっていた。東拘から戻ってきた時点では58Kgであったから、2Kg増ということだな。さすが岐阜刑である。環境も良く、メシもうまいのでアッという間に肥えてきてしまったわい。これは注意しないと肥満体となってしまうぞ。
 2月15日(木) 野外運動(8:55〜9:35)。フトン乾燥なので毛布2枚を出す。ホカホカになって戻ってきた。さすが晴天である。告知→(1)囲碁・将棋大会について、(2)一部雑誌の配本日変更について。
 2月16日(金) 入浴(15:20〜15:35)。告知→(1)被収容者美術作品コンクール入選作展示について、講堂に展示して運動時間に見せるとのこと。(2)工場就業者が60名前後増えた工場が幾つか(第2,3,4,5工場)あるので、そうした工場の入浴は2回に分けて入浴させることにしたので入浴回数を増やす。1番入浴の前に「特1番」入浴を増やすとのこと。私がもどってきたら、岐阜刑の被収容者がけっこう増えてきていたようだ。雑居棟は、今も増室工事をしているところもある。すでに雑居棟の集会室だったところは全階(4)の各室とも雑居房(最近は共同室とも云う)とされて、人が入っている。大不況期である、これからは刑務所が繁盛するようである。困ったことである。
 2月17日(木) 昼食時アメ玉2ヶ給与。夕食後にショウガ湯給与。9:00〜11:03 特別VTR『あの夏の日――とんでいるじゃん』小林桂樹主演、大林宣彦監督。メルヘンってところか?!
 2月18日(日) 8:50〜9:30 報道教養VTR 『その時歴史が動いた――サムライ福沢諭吉アメリカに立つ』、10:00〜11:45 テレビ朝日の『サンデープロジェクト』を見て、笑う。
 2月19日(月) 入浴(14:05〜14:20)。理髪日である。刈る必要もない頭を刈る?
 2月21日(水) 屋外運動(9:40〜10:20)。告知→(1)山口刑職業訓練生募集、情報処理科(全国で10名)、ボイラー運転科(全国で15名)。(2)『所内生活の心得』一部改訂のため回収について。(写真の居室所持の件)。
 2月22日(木) 入浴(14:50〜15:05)。早い時間からの入浴であったので居室に戻ってからの仮眠時間がけっこうあっていいことである。山口刑務所情報処理科職業訓練生に応募しておいた。参加することに意義があり!なーんちゃって!
 2月23日(金) 屋外運動(10:25〜11:05)。フトン乾燥があり、毛布と敷布団を出した。敷布団は岐刑にもどってから1度も干してなかったので、戻ってきたらホカホカふくらんで大変いい。一般官本を2冊借り出す。サラ・パラッキー『ゴーストカントリー』早川書房、後藤竜二『乱世山城国伝』新日本出版社。18:30〜20:30頃 工場就業者VTR『U-571』。
 2月24日(土) 夕食後にショウガ湯給与。昼食時にアメ玉2ヶ給与。
 2月25日(日) 9:00〜11:00 2級者集会VTR『フライショック、(ISLAND OF THE DEAD)』菓子は(A)ミルクカステラドーナツ1袋、(B)ダイジェストクラッカー1袋、一口フルーツゼリー1袋で(A)(B)とも缶コーヒー付。私は(A)を選択。ビデオはホラー物。そうたいしておもしろくなかったな。サンデープロジェクト(テレビ朝日)をおもしろく見る。
★私が東京に出張いっていた間の処遇変更は次のとおり。9/29掛布団貸与 10/16円管服交換 10/2夏服から冬服への衣替え。
 10/10夏期処遇一部終了[ウチワの使用、居室内における食後拭身、工場扇風機の使用、午後及び夕食後の増荼、単独室食器口の開放、各種行事等出席時の上半身丸首シャツ姿、運動時のシャワー使用(運動会まで)の終了。総集行事出席のタオル携帯の終了]。
 10/23夏期処遇全面終了[入浴実施時の検身場から還房時及び運動の往復時の上半身丸首シャツ姿中止、朝点検時から仮就寝時までの間長袖上衣を着用する。運動時(室内含む)については上半身丸首シャツ姿許可など]
 10/23舎房用衿なしシャツ、ステテコ貸与 10/30工場用衿なし袴下貸与 10/31官給舎房用・工場用冬靴下貸与[舎房用中古1足、新品1足、工場用中古1足、新品2足] 11/2〜天突き体操開始 11/6〜工場でのウガイ開始 11/9舎房用官給丸首シャツ貸与、ランニングシャツ引上げ 11/6〜風邪予防の為の仮眠時間開始 11/16 3枚目の毛布貸与 11/17舎房用・工場用チョッキ貸与 11/27敷布、枕カバー、毛布えり布カバーの交換 12/1温食(メシ、オカズを冷めないように運搬する)開始。 12/2〜2/24ショウガ湯給与 12/19総転房 12/27居室雑巾布巾交換 12月中旬〜舎房用ストーブ使用開始 1/29居室における写真所持許可[累進処遇級に関係なく許可出願により3ヵ月所持を認める]。
 この他に告知日などわからないが、「演芸講演等の総集行事について」は慰問者から「あいさつ」があった場合は、挨拶のみをもって、これに応じて差し支えない、とのこと。それと「味噌汁に唐辛子を添加することについて」は、月・水・金曜日の味噌汁に限り一人当り0.05gを添加するとのこと。
 そして、一般居室棟の各階廊下にストーブ2台を置くという暖房の処遇改善が行われているが、これについて病棟では、ストーブの代わりにファンヒーター2台が置かれて一日中、作動されているようである。
 [差入れ][1/17]『顔に降りかかる雨』、『キリンヤガ』、ウナディコムニューズレター11号、同12号、80円切手×8、50円切手×2〈平山まゆみ〉 シャコ通信No.36〈東武央〉 [1/22]人民新聞1/5号〈日角八十治〉 [1/23]支援連ニュースNo221〈東武央〉 ひとそれぞれに2000年暮35号〈ぼけまる舎〉 [1/30]救援381号〈QCR〉 [2/1]人民新聞1/15号〈日角八十治〉 シャコ通信No.37〈東武央〉 模索舎月報1月、模索舎取扱い定期刊行物リスト〈模索舎〉 [2/5]黒Nro4/5〈水田ふう、向井孝〉 [2/6]『ぼくのミステリーな日常』、『暗闇のスキャナー』、26の瞳プラス60のひとみNo50、ゆきゆきて16号〈平山まゆみ〉 [2/8]再審研究会の記録2000/12、高木さんの死にまつわるワタクシゴト、刑務所の中で通販生活を定期購読できるんだろうか切抜きコピー〈永井迅〉 人民新聞1/25〈日角八十治〉 [2/13]キタコブシVOL89〈キタコブシ〉 [2/15]一条の光1号、2号〈陳さん何さんを支える会〉 [2/16]人民新聞2/5号〈日角八十治〉 『インパクション123』〈インパクト出版会〉 [2/21]救援382号〈QCR〉 シャコ通信No38〈東武央〉 模索舎月報2月、出版記念サイン会〈模索舎〉以上。いつも差入れどうもありがとうございます!
 ※2/5の差入れ告知のあった「一条の光」1号、2号については、物は昨秋(10月頃か?)届いていたのだが差入れ物照会がすんでから、私の手元にきたので、けっこう時間(月日)が経っている。一応、参考までに書いておくと、私のような刑務所の被収容者に物品を差入れした場合、施設当局は、すぐに交付せず、まず、差入れした送り主に差入れ物についての照会状を送付し、送り主がそれに必要事項を記入して施設へ送り返さなければならない。それによって許可、不許可が決定され、交付ないし、不交付となってるわけ。だから、刑務所からの差入れ物についての照会状が送られてきたら、必ず回答して返送することなのでアル。私のところには差入れ照会に回答してもらえなかった物品が差入れ告知もされずに倉庫に眠らされてるのが幾つかあるようだ。
 「刑務所の中で通販生活を定期購読できるんだろうか」切抜きコピー綴は読んだ。模索舎の通販も利用したいのだが、直接は無理なので困っているところ。以前『週間金曜日』を定期購読しようと思って当局と話し合ったが直接はやれず、結局、親族が購読料を払って送ってもらっていることが判れば『週間金曜日』編集部へ差入れ照会なくても郵送差入れは認める、ということになって、2年間ほど購読していたのだ。しかし、月3回の定期私本仮下(舎下)扱いということなので中止した。所内購入の週刊誌同様の毎週配本扱いであったなら続けていたのだがな。塀の外との直接的通販はなかなかむずかしいね。
 「木さんの死にまつわるワタクシゴト」では、エコロジー運動の歴史的動きなどがそれなりにわかってよかった。
 「キタコブシVOL89」でいろいろな新事実がわかった!? なんと!あの正月の折詰は例年になく豪華であったということ! イカ刺しも初めてだったか?! そして、なんとあの大晦日の菓子袋も例年の倍以上だったとか?(岐刑では例年あんなもんだが)私は運がよかった、たまたま豪華な年末年始の年に当って? そうそう折詰のあの果実はアボガドではなくキウイだと思うよ。私も半固食べたのは初めてだ。岐刑でフルーツサラダに出てくるときは、いつもコマ切れでだされていたから。そうです! 私はポーカーフェイスで気付いておりました。しかし、将司はポーカーしても負けるんじゃないかな、いいカードが来たら、すぐニヤニヤとしてしまうから。そのへん見ると「頭の固い」将司だけってわけでもないかも。
 「再審研の記録2000/12」を見ると、何を言ってるか!と言いたいね。エスペラントの勉強でなんで具体性一気に下降なの?! エスペラントに対する認識不足だぜえ。英語帝国主義に毒されているな。英語の広がりと米帝一元支配体制とは表裏一体なんだとおもうけどね。ま、エスペラントは英語ほど使われていないのは、たしかだが。これから広がっていく希望は大だと思うね。どんどん使っていかなきゃ広がっていかないし、英語とは違った世界観の方向性をもって使い易い言語だろうな多分。
 もうひとつ何を言ってるか!は「福祉」は流行りという認識の状況把握のなさ、ではないのかなぁ、ということ。最近、市場化・自由競争強化・規制緩和など、良いことを言ってるかのように見せられて、実際のところ弱者切捨てが急激に進行している状況下、企業、資本側の「福祉」流行りと、人民側の必要性は当然違うからね。一面的に見てはダメだぜい! つい先日も愛知県内で老夫婦が生活保護を拒否して餓死なんてニュースもあったし、幼児虐待も続発していて弱者抑圧は深化強化されとる。企業資本側は弱者(老人子どもなど)の搾り易い人たちからさらに搾取するための「福祉」流行りやねん←(丸ちゃん風語尾)。
 私はエスペラントを使う世界をまたにかける商人になんとかなってやろうっと……エスを使う商売相手がいるかどうかが問題!!
★作業賞与金 2001年1月分 1等工9割増+東拘在監分 4,146円。
★これから、どんどん暖かくなっていくので助かるわ。風邪もひどいのひかなくてすんだし、今冬はよかった。しかし、そろそろ東海大地震と富士山噴火が怪しそうで、政治も混乱、日本はどこへ行く? 2001.2.25 Shaco記


SHACO
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