〈定期第158信〉
　蒸し暑い日が続く。今は梅雨の真中。塀の中のうっとおしい梅雨も今回限りと思えば、なんのその。
　昨日、回覧新聞（中日新聞）を見たら、7/4夕刊に「懲役20年」と載っていた。
　無期ではなかったので、その点、ホッとしている。有期であったということでは、弁護団と被告、そしてサポーターたちの尽力のたまものであろう。御苦労様でした。
　も、無罪釈放ってのは、ちょっとムリだものね。希望としてはあるけれど。
　しかし、もう少し軽くしてもよかったのじゃなかろうか。私と同じかもと思ったりもしたが、悪くてもと。
　ともあれ、一段落、あと少しである。頑張って下さい。
　さて、しばらくの便りである。もう夏である。これから暑くなると、書くのもおっくうになってくるので、今のうちに書いておこう。そしたら、また秋まで夏眠してしまおうか。
　５月７日（火）　３枚目の一番古い毛布引上げ。口論で２名取調べ（分離拘禁）。
　５月８日（水）　居室用チョッキ引上げ。告知→被収容者美術・文芸作品コンクールについて。
　３月14日付で出願した「起床前学習許可」についての主席矯正処遇官面接願の回答があった。回答は「現状変更しない」であった。
　５月９日（木）　美術・文芸作品コンクールの俳句、川柳、詩、水彩画に応募した。これが最後の応募である。毎年、毎年よう応募したものである。
　５月10日（金）　工場用メリヤス引上げ。コンクールの文芸作品の投稿用紙がきた。
　５月11日（土）　9:00〜10:30ころ、無事故者褒賞ビデオ『cat　＆　dog』。犬猫戦争！最悪の内容で、途中で見るのをやめてしまった。オトナの映画を見せてほしい。
　５月12日（日）　8:50〜9:30。報道教養ビデオ『その時歴史が動いた――外交の要は誠実なり』。この日で「仮眠時間」は終了。
　５月14日（火）　エスペラント通信講座中級受講許可願の回答がされた。「受講を許可する」とのこと。但し、翻訳を必要とする箇所があった場合、翻訳料を支払った上で許可ということのようだ。
　沼津エスペラント会より受講生通信82号外が送られてきた。82号には私のエスペラント文が載っていた。けっこうなおしてくれてあったりして…。
　５月15日（水）　工場用官給丸首シャツ・パンツ交換。レントゲン胸部撮影（工場ごとに）。作業賞与金受領印を押す。４月分、時間37円40銭、基本給5,946円60銭、10割増　11,893円。
　エスペラント中級通信講座受講申込願を出願する。
　告知→自所左官科職業訓練生募集（３名）。
　５月17日（金）　居室用メリヤス引上げ。
　５月18日（土）　9:00〜10:00川柳クラブ。13:15〜慰問演芸会（星野奈々、沢村レイコ、渡辺みき）。
　５月19日（日）　9:00〜10:30頃、５年以上無事故者褒賞VTR『ロックアウト』。
　５月20日（月）　居室用靴下引上げ。
　５月23日（木）　工場用衿なし長袖シャツ、袴下引上げ。
　５月24日（金）　ソフトボール試合。19:00〜工場就業者ビデオ『The　SCORE』。
　５月25日（土）　9:00〜　１・２・３級者集会ビデオ『ラッシュアワー２』菓子ロールケーキ、アーモンドチョコ、三ツ矢ホワイトスパークリング缶。11:00〜所内売店へ買い物に行った。
　５月27日（月）　夏期処遇一部（居室での丸首シャツ姿許可、一般運動往復時、検身所から還房時丸首シャツ姿許可）開始。教育課からの呼び出しがあり行ってみると、５月15日で出願したエスペラント受講申込願についてであった。「出世払い」については、無料の場合許可できない旨であった。しかたないので12,000円の割引料金でいくことにするか。ま、私の場合出世する筈もないから、いつ払えるのかわからんしなぁ。
　５月28日（火）　居室用衿なし長袖シャツ、ステテコ引上げ。エスペラント中級通信講座受講申込願を出願した。同じような願箋を何度書くことか。告知→７〜12月後期クラブ活動募集（詩吟、川柳、短歌、俳句、書道、ワープロ）、今回私はワープロに応募したが、後日、不許可となってしまった。後期クラブ活動はなし。ヒマになるな。
　５月29日（水）　エスペラント受講料支払い願＋同封願を出願した。
　５月31日（金）　告知→公普通信教育受講生募集（文章上達法、家庭園芸、日商簿記３級、ペン字、英語４級）
　６月２日（日）　8:50〜9:30報道教養ビデオ『その時歴史が動いた――信長と本願寺10年戦争』。昨日新聞見たら「日本の核武装！」なんて載っていた。いよいよ、ここまでいくか、と。
　６月８日（土）　超食時から食器口開放（独居房）←夏期処遇一部開始。
　６月10日（月）　ウチワの貸与←夏期処遇一部開始。畳がデコボコしていたのでなおしてもらう。
　６月12日（水）　告知→富山刑務所木材工芸科職業訓練生募集。このところ炊所の煙突から煙がよく出るようになったことに気づいた。炊所といえば、ラジオニュースで旭川刑務所での食中毒訴訟のことが報じられていたっけ。けっこう全国各地の刑務所で食中毒が発生しているようだものなあ。構造的問題があるのだろうか？
　岐刑は最近、冷凍食品が目立ってきたが食中毒予防ってこともあるのかしらん。
　６月14日（金）　沼津エスペラント会へ中級講座受講料ほかを現金書留にて送った。やっとだな。作業賞与金の受領印を押す。５月分１等工10割増　基本給5,871円80銭　11,744円。
　６月15日（土）　9:00〜10:00川柳クラブ。今回で最後の川柳クラブ出席であった。あいかわらずメンバーが少ない。13:30〜14:50頃、慰問演芸会（鶴田さやか、アイリーン、紅組）。
　６月18日（火）　文芸コンクール作品を提出した。今回の詩は軽すぎたかな。
　６月19日（水）　巡閲官が数名、来所したようである。刑務所内を巡回していたっけ。
　６月20日（木）　巡閲官情願に私のいる工場からは２名ほど行ったようだ。
　６月21日（金）　告知→山口刑務所左官科、数値制御科職業訓練生募集。
　６月22日（土）　9:00〜11:00頃　１・２級集会ビデオ『陰陽師』。菓子は柿の種、キャラメルコーン、缶コーヒー。13:00〜13:30所内売店へ買い物に行った。
　６月26日（水）　18:00〜19:40頃　無災害工場褒賞ビデオ『ミリオネア』。
　６月27日（木）　公費通信教育家庭園芸科の修了証書が届いた。額ぶちに入れておくか。
　６月28日（金）　衣替え。長袖上衣長ズボンから半袖上衣半ズボンへ。18:30〜工場就業者ビデオ『エボリューション』なんつーか、実にタワケた内容であった。
　６月29日（土）　9:00〜10:40頃、作業優秀者褒賞ビデオ『ポセイドン』、北朝鮮の核実験に遭遇してしまった米原潜での叛乱、核戦争への危機、なーんてか。
　７月１日（月）　夏期処遇一部開始。居室での食後拭身許可、一般運動時のシャワー使用許可、増茶。美術コンクールのための水彩画の道具、画用紙２枚が貸与された。さて、どんな絵を描こうか、いろいろ考えていたのだが、塀の中での最後の絵である。どうせまた落選だろう。こんどは静物にでもするかね。刑務作業安全月間が7/1〜7/31となっている。刑務作業安全月間の標語を書いて出した。全員が出さなきゃならないらしい。テキトーに書いて出しておいた。
　7/1〜7/31は社会を明るくする運動月間でもあって、今月は面会と発信が各１回増しになっている。
　７月３日（水）　18:00〜20:50頃、刑務作業製品法務大臣賞受賞褒賞ビデオ『グラディエーター』。金属工場で製作したものが受賞したというので関係工場のみ視聴。この間つまらんビデオばかりだったのだが、今回はまあ、なんとか見れた。
　７月４日（木）　テレビニュースとラジオニュースに注意していたのだが浴田公判については、出てこなかったなあ。この日は、さてどうなったのだろうか、と思っていたが…。
　７月５日（金）　居室用官給丸首シャツをランニングシャツへ交換。新品１枚。中古１枚。
［差入れ］人民新聞4/15号、同4/25号、同5/5号、同5/15号、再びパレスチナの平和を求めて〈日角八十治〉　新生630号、同632号、同633号、同635号〈立志社〉　支援連ニュースNo.236、無実を訴える死刑囚の声、支援連ニュースNo237〈東武央〉『ほんとうのアフガニスタン』〈東武央〉　模索舎月報５月号、模索舎月報６月号〈模索舎〉　救援397号、救援398号〈QRC〉　『インパクション130』〈インパクト出版会〉　再審研究会記録02-4月、状況図、再審研究会記録02-5月、ゆうき凛々44号〈永井迅〉　桧森孝雄追悼集、チラシ「アイヤーム〜」、チラシ「難民の世紀〜」、ザ･パスポート105号、公判予定ほか〈帰考会〉　わたし見方です通信No16、ごましお通信66号〈益永美幸〉　死刑と人権No121〈かたつむりの会〉　監獄人権センター通信No31〈CPR〉　監獄通信No81〈UPU〉　草の根通信354号、『創』５月号切抜コピー綴、『創』６月号切抜コピー綴、草の根通信355号、オリーブの樹12号、「秋田さきがけ」切抜コピー、「サンデー毎日」切抜コピー、夢と希望つうしん８号、国境のない騎士団Vol７、110円切手×２、80円切手×６、50円切手×11〈平山まゆみ〉　プチの大通り63号〈荒井幹夫〉
　いつも差入れ、どうもありがとうございます。
　「わたし味方です通信」は外の人たちのことがわかっていいですねぇ。中にいるとちっともわからなくて、パンフを読んでも意味がよく通じてこないところ時々あるものね。
　入学試験なんて大したことなさそうだから、私も出てからどっかの大学に入ろうかしらん。スミコさんがトシに会えての様子などよくわかって、とてもよかった。幹夫さんも大丈夫かな。これからますます暑くなっていくので、外のみなさんもバテませんようにして下さい。
　私の方、いいかげんさが身にしみついてきたので暑さにもバテずノラリクラリと生きられそうである。とうとう１年きってしまって、あと11ヵ月ほど、時間の経つのが早すぎるぞ。歳も早くとるようだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002年７月７日　Shaco記