〈定期第72信〉

 ここのところ晴天が続いていたけれど、ちょっと曇り出したな。曇ったり、雨降ったりだと、きぶんまてですっきりしなくなるのでいやだなあ。
 今のところ体調は良好といったところ。しかし、疲れてくると身体が風邪を欲するな。身体の癒しのために、私は風邪をよくひくのである。なーんちゃって!
 10/2 あいにくと晴天の為、運動会が開催されてしまった。それで私も百メートル走に出場せざるをえず、予想どおりドンケツでゴールイン! スタート時点ですでに出遅れ、一団で走っている人たちの後、10m位離れて、ひとりゴールインした。ま、転ばなかっただけよかったとも言える。ゴール寸前で、あわや転びそうなカンジもあったものなぁ。
 これで来年は、もうお呼びはかからんだろろう。ホッとするな。
 この日は、サンキスト缶リンゴジュース、バナナ1本、ようかんが特配、舎房に戻ってからは夕食時にバタークッキー1箱特配された。あいかわらず午後の3時間ほどの運動会。
 10/3 夏期処遇一部終了。ウチワ引上げ、食器口開放終了、食後の拭身終了等。
 10/9 定期体重・血圧測定。 62.5kg.177−75。体重が若干増えてしまったようだ。 どおりで身体が少し重く感じる。血圧は、平常値といったところかな。
 10/10 カステラ2枚特配。行進優良工場報奨VTR『マイライフ』、今回のビデオはお子様用でなかったので、よかった。
 10/14 夏期処遇終了。工場扇風機引上げ、屋外・講堂内運動と入浴時拭身時以外は上衣(ジャンパー)着用等。
 10/15 室内消毒。東拘では便器のみ消毒が毎週1回あったが、こちらでは年1,2回ほど居室内全部を消毒。今回はかなりしっかりとやってくれたようで畳がじっとりと濡れていて、畳にワックスをかけてくれたのかなぁ、などと思ったりした。
 舎房用官給下着交換。私はランニングシャツ2枚を丸首半袖シャツ2枚と交換。私のいる工場では数人程度が官給使用。
 首席矯正処遇官面接願を出願。1)CPR News Letter No.10の差入れ告知がないけど、差入れが届いているのか、否か。検閲にひっかかっているのなら、問題箇所を抹消して早く閲読させるようにしてほして、2)室内運動及びその後の拭身時に上衣着用では不便なので丸首半袖シャツ姿で行うことを許可してほしい旨の内容で出願。
 10/16 定期検診。医師3,4名が各工場に出向いての問診。胸部に聴診器をつけてもしたりする。
 10/17 首席矯正処遇官面接回答。(統括矯正処遇官による代理回答。)
 1)のCPR News Letter No.10については、岐阜刑には差入れはされていない、とのことだった。差入れがされていないのなら、文句も言えんわな。恥かいたなー。私としては、検閲にひっかかっているとばかり思っていた。とすると、 No.10だけは送ってこないということになるのかな。であれば、は永井君に差入れてもらわんとならんな。よろしく、頼んます!
 2)の丸首半袖シャツ姿による室内運動、拭身は不許可、夏期処遇終了以降は「上衣着用」厳守の現状変更はしない旨の回答だったな。現行の室内運動は汗をかくほどの運動を予定したものではなく、上衣着用のままで充分であるってことらしい。しかし暖かい日などちょっとした運動だって、けっこう汗ばむし、上衣着用のままでは、タオルで汗を拭くのだってやりにくいけどなぁ。
 室内運動ってのは、屋外運動の代替的なものとして健康維持上、必要な運動量を確保する為に考えられているのではなかったのかなー。上衣着用のままでの運動、拭身なんてのは「非常識」だと思うけどなぁー。ここはシャバの常識が通じない非常識の世界だからいいのかしらん!?
 10/19 特別VTR『霧の子午線』(吉永小百合・岩下志麻共演 高樹のぶ子原作)。なんつーか、「あの時代」のことが軸になっている映画だったようで、私は、私なりの「あの時代」をちょっぴり思い出したりして…、映画のできについては…う・ふっ。
 10/21 打ち抜き的に玉入れ検査。ダレカさんの玉入れが摘発された為だったらしく、私も検査されてしまったが、あったのは、天然の入れ玉が2箇のみで、なんとか、カントカ、パス。いやはや! 以前、経験者に何故そんなことするの?と訊いたところ、「たいくつで、たいくつで」とか言っていた。
 10/24 胃検診。バスが1台停車していて、その中でやったが、なかなか面白いものである。2回目だがね。毎年1回四十歳以上を対象に受付け。バリウムの排便に苦労するので忌避する人が多い。私もバリウムを飲んでから台に横になり、台が上下左右グルグル回り、数回撮影。下剤2錠服用。
 10/26 告知放送によると、刑務作業成績優秀により矯正局から法務大臣賞を受賞したので、全収容者に紅白大福まんじゅうを給与するとのことで、食べてしまった。
 10/27 報道教養VTR(AM8:45〜9:30)『太陽のたわむれ・フロリダ』(文春トラベルビデオ)
 10/29 巡閲官来所とのこと。10/8と10/2に巡閲官情願についての要領告知放送。
 10末日(予定) 領置してあった本雑誌を宅下げ。そのうちドサッと届くだろうゆきちゃんの好きなマンガ(虹色のトロッキー〈2〉〈3〉〈4〉)もある。今回は面白いのは、『グリーンリバーライジング』『風に葬え』『黙っていても双子は』『チベット・クエスト』『こどもの宇宙』『賢治の学校』『依頼人』といったところかな。頭のコラナイってやつ。心理学関係のが3冊。『聖なる予言』の心理学関係かな?
 今回は、全部で70冊。でも東拘だと毎日(平均)3冊づつ読めるから、あっという間に読んでしまうだろうなぁ。岐刑は制限があってそうもいかんので、読みたい本たくさんあるので困ってしまうね。
[差入れ]10/1|新生469号、同470号〈立志社〉 ゆうき凛々3号〈永井迅〉 人民新聞9/5号、同9/15号〈日角八十治〉 ごましお通信33号、東京拘置所建替計画に関する要望書、伝言板No6、ハガキ、チラシ〈益永美幸〉 10/7|被告人冒頭意見陳述、戦後補償問題の現在外切抜きコピー綴、日雇全協ニュース79号、同80号、笹島の歴史綴、統一獄中者組合議事録〈永井迅〉 草の根通信286号〈平山まゆみ〉 10/9|国道11号線No.15〈平山まゆみ〉 かすみ草27号〈高安イツ子〉 10/17|『インパクション99』〈インパクト出版会〉 10/21|支援連ニュースNo.170号、チラシ〈東武央〉 救援329号〈QC〉 新生471号〈立志社〉 模索舎月報10月号〈模索舎〉 言いたい放題No.62〈高安イツ子〉 10/22|『底ぬけビンボー暮らし』〈平山まゆみ〉 以上差入れ告知あり、10/9分まで落手。いつもどうもありがとう。
 「ゆうき凛々3号」のT君来日を読んで、安心。けっこう楽しんでいるようでよかった。ゆきちゃんのニックネームは「ゆっこちゃん」「コスモスさん」以外はどれもピッタリくるようなものばかりだね。
 先日、中日新聞に、城崎勉さんがネパールで拘束され米国へ連行、なんていう記事が載っていたが、どうもこのころ続いているなぁ。対日本赤軍の国際連携が強化されてきているのただろうか。闘病中の丸ちゃんの気苦労が増しているかもしれないな。けれど病気を完治させることに集中させることが今大事。
 「UPU議事録」で監通の買取りだって?要するに各人にもっとセールスに努力を!ってことかな。監通の販売拡大策としてはカラーグラビアをいれるなんてのもある。それもヌード!「これが裸体検身だ!」ということでダレカが全裸で両手と片足を上げてるグラビアが入っていれば売れる!!…わけはないかな。
 高安さんがワープロとパソコンの違いがわからんってのは当然。ネジの廻し方もわからんのだから…。そのへん私も同じなのだが。私の場合、テレフォンカードの使用方法もわからんで、これから社会復帰が大変だろうな、他人ごとのように思ったり。
 「かすみ草27号」には佐川さんの元気そうな便りが載っていてよかった。私は岐阜にきてからはドラゴンズの野球を見せられることが多いので、とうとうドラゴンズに親近感を持つに至ってしまった。ジャイアンツは嫌いだからオリックスが勝って嬉しい。…と言いながら、私は野球についてはよくわからん人なのであった。
 私の「シャコ」は「海にいるあのシャコ」からきているのであった。ホント、どこが似ててつけやがったのか?!
 コスモス病棟だよりはあいかわらずの高安さんで笑ってしまう。 一審が二審になっちゃうのも当然。
 トッツアンは仕事の方大変そうだなぁ。上水道から下水道関係へ。合併浄化槽設置(個人住宅向け)の仕事ってのは、今後需要がありそうだし、オルタナティブなものでいいかもしれんなーと思うんだけど、だめかなぁそういう仕事に変えても?又、コンクリートで固めた護岸工事、ダム工事といった自然破壊の土建屋ではなく、護岸やダム等を破壊し、自然再生を援助する土建屋なんてのは、これからどんどん出てくるんじゃなかろうか?
 「死刑と人権No92」の特集1のN氏が語るは、獄中の死刑囚処遇のことがわかってなかなかよかった。また、夜廻りを再開というのは、大変だろうけど頑張って下さい。
 「国道11号線No.15」いよいよ判決だか、今の裁判所の行政追随の在り様からいったらあまり期待できないのだが、さて、どうだったのだろう。新聞に載ってなかったようだから
敗訴か。たとえそれが見えてるとしてもやり続けることによって今の裁判所の在り様を問い直し改めさせていくさざ波が少しずつたっていく力になっていくだろうね。実際、今の裁判所に対する反感は広く強まっているように思うし。
 「日雇全協ニュース79号、同80号」とうとう全協ニュースは季刊化してしまったか。あいかわらず党派とのゴタゴタが続いているようだね。運動全体の利益というより狭いところでの利益に固執するのは困るな。
 名古屋市では東京都と違って野宿労働者とそれなりに対話の場をもっていってるようでよかった。
 『オイコス13号』で終刊とか。読んでいてほんと参考になりました。ありがとう、そしてこれからも頑張って!
 バックパッカー入門は逃亡中の時に読んどけばよかった。高木仁三郎氏の住民投票云々のところは、そうかぁと、いいこと読んだ。「住民投票」を消極的にしか考えない傾向が多いが、それって良くないよねぇ。
 『 あの狼煙はいま』は一読しました。もっととっつきにくいかなという予想に反して、けっこう読み易い(?)のでよかった。もう一読して、また感想書けたら書きます、どうもありがとう。
 私の文が一番すっきりポッキリだったな。ま、あれ以上長く書くとだんだんボロが出てくるからあんなもんでいいか。
★作業賞与金 96年9月分 1等工 7,293円。
 今回は、こんなところでバイ! また書き忘れがあったような…まぁいいか。
 1996.10.26−27  寿一記


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