〈定期第77信〉

 2月中旬ともなってくると、寒いとはいっても、それほどこたえてこないなあ。手足にできた霜焼けも、どんどん消えていく。やはり、なんと云ってももう春だなぁ。
[差入れ][1/31]ごましお通信35号〈益永美幸〉 BURST CITY INFORMATION Vol.3〈ARP〉 風19号、国際語エスペラント〈水田ふう〉 MRTAに関するインターネット上の情報(1),(2),(3)〈東武央〉 [2/4]模索舎月報97年版別冊〈模索舎〉 わたげNo.26、白くても赤ければ黒くなる、密室の中の死刑執行を問う、青柳さんへの不当弾圧を許さない会〈平山まゆみ〉 [2/14]日雇全協ニュース2月〈日雇全協〉 監獄人権センター通信No.13、検証プリズナーの世界〈CPR〉 人民新聞1/15号、同1/25号〈日角八十治〉 26の瞳No.37、白くても赤ければ黒くなる、ゆきゆきて6号〈平山まゆみ〉。
 「ごましお通信35号」、中元さんの上告が棄却されたのを新聞で知った。確定後が厳しくなるだろうが、元気でやってほしいね。トシが云う「生活の場にしっかりと根づいた運動の重要さを感じるのです。」というのは、私もそう思うし、将司や丸ちゃんたちも同感なんじゃないかな。みゆきの円形脱毛症って云ったって碁石くらいのだろう? 私なんか全形だもんな―。夜、ふと窓ガラスを見て恐怖することがあるよ。そこにほとんど髪の毛が失せた男が見えるのでね。いやはや、あと残りは5分の2か6分の2ってところか。
 「風19号」のリキさん伝、考証もあってなかなか読ませるね。「刑務所大学卒業のヒケツ」と云うのは、今にも通じるものだと思う。リキさんの刑務所での生き方がいい。当時のことがよくわかるね。昔も今もなんか処遇の本質は変わっておらんし。
 『向井孝の詩』は正月休みに読みました。装丁は向井さんの詩風で合っていたように思う。初期の作品は、たんたんとしているけれど、しっとりと残るものがあり、’70年代’80年代のものになってくると向井さんの生が流れの中、気持ちよく泳いでいる(うまい表現ではないかな? あぶらののった生ってのもよくないかな?)というカンジで、無理せず生をたのしんでいると思えたなぁ。恋の詩、あの踏切りの…あーいう詩も向井さんは書いていたんだなと知って、目の前で指パッチンされたカンジ。最近の詩というのは生をたのしんできている向井さんだからこその、生を愛しんでるものなのかもしれないなーと勝手に思ったりするけれど。初期の作品のような、たんたんしとたカンジのものを今作ってみたら、いいかもしれないなという気もする。
 「国際語エスペラント」の3分間講座は、ためになった。けっこう学びやすいんだなーイスペラントって。英語よりやさしそうな気がする。そのうちちょっとやってみようかな。大杉栄は一犯一語と云って、外国語を幾つも習得していたけれど、私は全くだめだもんなー。21年間獄中にいて、何も身につけられなかった、というのでは情けない。エスペラントも学んでおくかな。今のところ手話を少しずつ勉強しているところだが、これも実際に使ってないと、どんどん忘れていってしまうので困る。TVでときたまやっている手話をミルと少しだがわかるようにはなってきたけれどね。『ベーシックアメリカ手話』(径書房)を見ると一部日本の手話と共通するものもあるようだ。手話やっていると、外国語もマスターしやすくなるということはないかしらん。
 「BURST CITY INF Vol.3」は久しぶりのBURST CITYといったものだな。御無沙汰なので、はてどうしたのかなと思っていたところ。BURST CITYは、雑誌形式よりインターネットの方が良いだろうね。第二期の開始がたのしみだ。
 「ザ・パスポート57」の丸岡公判についての感想は、本人と傍聴者とのを比較検討してみるとおもしろいもんだ。丸ちゃんは話したいことを十分に話せず、うまく喋れなかったと言っているけれど、傍聴者は丸ちゃんがほーんとによく喋っていたと受けとめている。この違い! 丸ちゃんのペラ水準は普通の人より高めなんとちがうかや? 2/25の最終弁論は弁護人が喋ってしまうので、丸ちゃん大変残念だろうな。
 「支援連ニュースNo.173」で本届いたとのこと、お知らせ了解。私の読書傾向は、支離滅裂だから、いろいろなものがあっていいでしょ。また、たのしみにしてチョ。東拘の差入れの舎下げがかなり遅れたというのは、ペルー大使公邸占拠の余波ってところではないのかな? マスコミの中には、日本赤軍との関連を云々していたデマ報道もあったほどだから、当局もスワッ!と思いこんであわてた対応をしてしまったってところかもしれないな。考えすぎるきらいがあるからね、当局は。それに3名の死刑執行もあったから、それもあって落ちつかず、ということもあったかな。
 昨年は、反日の2人が執行されるという噂があったので私もひどくしんぱいしてたのだが。もしかして、公邸占拠があったので差し替えられた、ことも考えられるのではないか、とフッと思ったりしたが、ま、考えすぎかもしれないな。
 「CPR News letter No.10」に載っていた、熊刑の職員処分というのは、一種のリストラといったところかな。どこの刑務所でも収容者に「甘い」とされる職員は、収容者と直接関わる現場から外されるということ、よく聞く話だ。いつだったか慰問に来た落語家の話のタネになってたほどだから、全国的な傾向と云えるかもしれない。熊刑では情願によって本省のエライさんのところにまで話がいったので、事が大きくなったというところか。No.10を読むまでは、勤務内容(待遇)の問題かなと思っていたのだが、ちがったな。10年位前にあった沖縄刑での大量処分の場合は、当時導入された警備システムに対するサボタージュだったが、処分自体は今回の熊刑の処分より軽いものだったな。戒告処分が数名であと百数十名は減給処分といったものだったものな。今回のような免職、停職処分なんてなかった。府中刑で数年前にあった洗濯工場での窃盗の場合、クリーニング会社から請負った客の服のポケットなどにあった忘れ物の金品をかなりの期間くすねていた職員の処分は、せいぜいのところ八拘への転勤処分ですまされたのは、所内でおさえたからだろうな。熊刑の処分というのはちょっとひどすぎるな。調査の過程でも、職員間の対立を利用しながらだから、これまで以上に職員間は殺伐としたものになってしまったのではなかろうか。そういったことが収容者処遇に響いてこなければいいが。
 「MRTAに関するインターネット上の情報(1),(2),(3)」など読んで、この間の事情について、よく把握できるようになった。どうもありがとう。これからもよろしくたのむ。どうもブル新だけではよくわからんだけでなく、あきまへん。しかしMRTAも、いろいろな戦いの総括をそれなりにしているんだな、とわかった。インターネットの利用なんかもそうだしね。インターネットと云えば、特別官本に『スーパービギナーシリーズ パソコン入門』(オーム社)を借りて読んだら思ってたより、パソコン使うのってむずかしくないんだとわかった。いつかやりたいものだね。実際に使っていくうちにうまく使えるようになるのだろうけれど。それにしても日本政府というのはズルイな。こういう事態になるとそれがよくわかる。東チモールの独立派の人が接触しようとしても逃げるので、日本には何の期待もしないと言いきられていたのを、どこかの雑誌で読んだが、そんなところだな。

★[1/31]枕カバー、毛布用えり布カバーを新品と交換。毎年1回ある。[2/2]2年間無事故となり、くの字2本の肩章を貸与される。[2/4]1月分作業賞与金の使用限度額以上の使用を許可するとの告知がある。よし、これでまた本を購入することにする。私の場合こういうのは全て本代となる。ちょっと高価な本を購入するのに、いい機会でもある。かな?
 [2/6]14:00〜15:30「千葉紘子講演&歌謡ショー」が講堂で行われ、工場出役者全員で出席。千葉さんは篤志面接委員もしているということで、少年院での少女との面接などの話をまじえながら歌を幾つか歌っていた。この日の夕食は、どーゆうわけかパン食となる。いつもは毎土曜だが。
 この日半ドンだったので他の日で埋め合わされるのでは?とみんなは心配していたが、そりゃあないでしょ。この日のためにこそ、半日だけの運動会があったのでは、と思うけど。他刑では丸1日の運動会だものね。
 感想文を書けというので、書いといたが、どうせボツかな。あまりヨイショしないからな。
 [2/8]9:00〜無事故褒賞VTR『プレジデント トルーマン』。 [2/11]8:50〜9:40 報道教養VTR『世界わが心の旅 ポーランド コルチャック 子どもとともに』(NHKBS1の録画か?) 丁度官本で近藤二郎『コルチャック先生』という本を借りて読んでいたので、なかなかよかったよ。ロールケーキ2枚特配。 [2/15]9:00〜10:00 川柳クラブ。出席してから6年が経ったけれど、ユーモアのある句がなかなか作れんなー。才能がないのかしらん? それまで5名位の出席者が少し増えて8名に。一時は12,3名位いたのだけど。
 10:30〜11:30宗教教論、禅宗は座禅が主だからいい。読経などやりたくないものな。不信心者?! 座禅をひとりでやっているのと集団でやっているのでは、またちがった効果がひき出されるのでは?と思うのだが、今のところよくわからんなー。出席者は20名。始めたばかりなのに、バチンバチンよく叩いてもらっている人がいるので、「よく叩いてもらってるなー」と訊くと「叩いてもらう為にいくのでしょ」と云うので、呆れて「そんなに叩いてほしいのなら、私が叩いてやろーか?!」と云ってやる。 [2/16]9:00〜 1年以上無事故褒賞VTR『TRUE ROMANCE』。
★賞与金97-1月分 7,939円(1等工)。今回はこれでバイ! 1997.2.16 寿 記


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