〈定期第84信〉

 なんとも、おかしな天気が続くよ、今年の夏は。ホント、台風の当たり年ってところだ。それによく雨が降り続く、梅雨どきのようであるが、あえて言えば梅雨というよりは、東南アジア風雨季っていうカンジかな。ま、その分、あまり暑くならないでいいかな。昨夏のような気温40℃近くになったという日はないものな。少々、しのぎ易く思う。
 今夏は、風邪が流行していないのは、こうした天気が続くからだろうか。
 しかし、蒸し暑いのは、どうにもたまらんけれど。
 8月も、あっという間に過ぎてしまいそうだ。

★まさか8/1に死刑執行がやられてしまうとは思わなかったな。時期的にちょっと遅くなっていたので、死刑執行について、法務省も再考し始めたのか、と淡い期待もあったのだが…。松浦ってのは、ホントどうしようもないやっちゃなー。歴代の法相の中で最多執行者となるのではないか。
 今回は、これまで以上に政治的なものだったな。少年犯罪―少年法というからみから、永山さんがやられたというのは明白だ。誰でもすぐピーンとくるだろう。
 まだ確定してから、そう経っていないのに執行されている。政治的すぎるな。
 少年犯罪の増加、悪質化というのは、刑罰を厳しくして取締りを強化すれば問題が解決するってことではないものなぁ。そもそも大人社会の反映であり、無責任な、弱い者いじめ社会の醸成してきたものだのに、死刑という見せしめで責任のがれをしようとする。それで問題は解決していかないだろう…ってことがわからんから無能力と今の行政は言われるのだ。もう今の行政だけに任せては、この社会どうなっていくのかわからんという危機感が人々の間に満ちてきていることだけは確かなようだが。
 死刑執行が政治的に決行されるのだから、政治的に死刑を阻止していくようにするってことか。

★ 7/29に会計課の呼び出しで出かけたら、まゆみちゃんから1万円差入れされたと知らされた。調査の為、少々時間がかかったそうだが、前回より少し早くなったのではないかな。
 あまり余裕がなさそうなのに、悪いなー。感謝して、受取った。
 早速、礼状を書き送っておいた。8/7に発信しておいたから、3,4日で届くのではないかな。いろいろ制限があってほとんど用件だけのそっけない内容となってしまったが、しかたない。いちいち下書きを提出しないといけないので、困ったものだ。電話なら、早いのになぁ。日本も早いとこ欧米なみに電話を許可してくれればいいのに。

[差入れ][7/29]救援339号〈QC〉 模索舎月報7月号〈模索舎〉 現金1万円〈平山まゆみ〉 [8/1]虹をわたる、斎藤和追悼遺稿集仮題作成ご協力のお願い、再審研の紹介、アンケートのお願い〈東武央〉 人民新聞7/15号、夏カンパにご協力をお願いします〈日角八十治〉 風21号〈水田ふう〉 監獄人権センター通信No.15〈CPR〉 [8/5]新生493号、同494号、戦没者遺族とともに平和を創る歩みを〈立志社〉 監獄通信64号〈統一獄中組合〉 ねつとわあく死刑廃止42号〈ねっとわあく〉 [8/7]ザ・パスポート63、斎藤和追悼遺稿集仮題作成ご協力のお願い〈帰国者の裁判を考える会〉 日雇全協ニュース8月〈日雇全協〉 ごましお通信40号〈益永美幸〉。いつも差入れ、どうもありがとう!
「救援339号」の5頁の獄中者組合通信編集委員会の投稿文が*印の最後の3行を残して、全抹消されているな。これは「大清水国賠で革手錠装着の検証勝ち取る」という記事のものだろう。いやはやみごとに墨一色であった。救援連絡センターも30周年、ごくろうさま!と言っておきたいね。これから、様々な取組みをしていくことになるのかな。

・斎藤和追悼遺稿集仮題の募集ってことかな? 「牙を持つ」又は、「牙を持つ人」ってのはどうかな? 三浦綾子『私の赤い手帳から』(小学館)の「節を曲げたら直ちに挿絵をやめますよ」の小題のところに、「愛とか、寛容とか、優しさがキリスト者のイメージに思われやすいが、しかし、節を曲げぬこと、そのための牙を持つことがなければ、その愛も正しく用い得ない〜云々」と書いてあったが、そのあたりを読んでいて、そういう題もいいのではないかなぁと思えた。和さんは愛、寛容、優しさ、節を曲げぬ、牙を持つがあったから。
 そうそう、和さんと高田馬場で会った、というのは私の誤りだった。獄中者を長いことやっていると、だんだんボケてきちょって、困るんだよ。高田馬場で見かけたのは、のり平さんの方だったと思う。お騒がせして、どうもすみません!

・将司がビデオについて、差入れを認めよと要求したとか。ウカマウの映画を、と要求しても、そりゃぁあかんでしょ。もう少し現実性のあるものを要求していったらどうなのかな? 例えば、名拘で見せたという『ダンス・ウイズ・ウルブス』を東拘でも見せろ、とかね。名拘では4時間の長編だから、2回に分けて見せたそうだけれどね。
 今は、レンタルビデオ屋に行けば最新の映画ものでも、100円、200円くらいで貸してもらえるのだから、そういうものを利用すればいいのにな。死刑囚の予算にその程度つけられんのだろうか。東拘の場合、なんかアリバイ的なんだよなー。ビデオを見せているというだけで、内容は問題外という。やはり、事なかれ主義が貫徹されているからなのか? ま、岐刑も、総集行事の映画で武田鉄矢主演のものが時々やられるから、そう違いないかもしれないな。

 7・12『虹をわたる』は盛況だったろうか? 集まった人たちが大いに楽しめたのならよかったが。 さて、支援連は、ぶっつぶれたか? 7・12が成功しなければ存亡の危機とかなんとかニュースにかいてあったが、どうなったであろう。
「草の根通信296号」に松下センセの入院の様子があったけれど、大丈夫かな。早く元気になってどんどん書いていってほしいね。今のようなひどい政治状況だからこそ大きな力になっていくから。 松下センセの入院姿を見ていたら、うちの親父もこんなカンジなのかなーと思ったよ。うちの親父の場合は、どうもじん肺ではないかと思うけれどね。
「キタコブシVLO70」に将司の本のことあったな。頑張ってたくさん売れるようなものをつくってほしい。『明けの星を見上げて』は、けっこう売れたのかな? あれは、少々、固めのところもあって、一般受けは、イマイチだったか。こんどのは、かなり期待できそうだな。将司自身がやる気だから。

★さて、8月と云えば、盆休み。今年は、5連休の長期となった。のんびりできそうだ。年末年始の休みと同じ位の長さではないか。今回は、居室から出られるのは、8/15の総入浴の時くらいだな、多分。総集行事でわざわざ講堂まで行って、ジッと座ってるってのは、この蒸し暑い時期には、たまらんからなー。いゃぁホント。それくらいの苦行をするなら、居室で本でも読んどる方がええわい。
 今回、盆休みの為、官本の貸出は、単行本4冊、文庫本2冊となった。私の借りた単行本は、小野寺健『心にのこる言葉』河出書房新社、帚木逢生『カシスの舞』新潮社、三浦綾子『私の赤い手帳から』小学館、吉村昭『天狗争乱』朝日新聞社の4冊。文庫本は、えーと、『追われる労働』鎌田 ちくま文庫だったか、あと一冊は忘れた。読書については、不足するってことはなかろう。
 あと、TV視聴については、8/15には特別VTRも視聴できるそうだが、さて、どんな映画が見せられるのか? くだらないものだけは見せないでほしいが…。
 ともあれ、盆休みはたいくさせずにすみそうである。獄中15年、それなりに過すコツは身についちゃったようだ。

★レバノンでの日本赤軍の5名について、3年の禁固刑。すぐに強制送還ということにならなくてよかったな。無罪釈放であれば、もっとよかったが、今の政治状況では、健闘した方かもしれないな。丸ちゃんたちもホッとしているところだろう。よかったな。

★7/31にラジオTV等に関するアンケートが配布された。毎年やってるものだがあまりかわらんな。 ビデオについては、半年に1回くらいアンケートをとって、具体的に映画題名をリクエストして、そこから選択して視聴させてくれるようにするといいのだがね。

★7月初め頃から、面会に際して、グレーの囚人服でなく、青っぽい色の上衣を着用させて面会させるようになったみたい。その上衣は、面会室に置いてあってそこで着替えるということらしいが、私は、まだ試していないのでわからん。

★8/5 工場用官給丸首シャツ・パンツの交換。官給利用者のみ。少し前に身長体重を訊かれた。例年だと秋に交換なのだ。それにいつもはM・L・LLのサイズを申告していたのだが、今回は身長体重から(官)が判断して貸与するとか。在庫状態をみてのことだそうで、私のところにはLLサイズのものがきたな。在庫にLLサイズが溜りすぎているようだ。

★8/6の昼食にアユの塩焼きが出た。さすが長良川が近くにあるだけある。と云っても養殖ものだったが。おいしく食べた。正月のおせち折詰に甘露煮で出たこともあったかな。人によって、川魚というのは好き嫌いがあるが、私は魚なら全て好きだから、なんでも来いだ。
 今回も書き残しあるまま、これでおしまい。では、元気で、また!
                  1997.8.10 寿一記


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