〈定期第88信〉

 もう10月だ。早いものである。山々の紅葉も今が見どころといったところか。山の上の方ではすでに雪が白く染めているようだが。
 雨乞いの祈りもむなしく、10/9は雨降りにもならず、運動会が強行されてしまった。おかげで私は今、ひどく疲れた状態である。身体のあちらこちらも痛み、やはり歳には勝てんなーの思いを強くしている。
 300m競走は、きつかったぁ。2周走ることになったのだが、1周目はまあまあよかった。6人中5位のあたりだったが、2周目になるあたりで、足があがらなくなって、ドーンと離され、一番最後、それも前走者から20m以上離されてゴールイン。いやあ、全力で走るってのは、ホントに大変なこっちゃ。いつもは、トロトロとのんびりジョギングしているので何周も回っていられるのだが、全力で走るようにすると、1周がいいところだったな。
 けっこう体力はおちているのがよくわかった。これから、もう少し走れるように少しずつ体力をつけていくように考えよう。今回の有様では、とてもではないが中高年の登山も無理だものなぁ。あれだけしか走らなかったのに、ものすごく疲れてしまってあかーんってのは、ホント、あかーんだぜ。
 ま、のんびりと走っている分には、まだまだ大丈夫だから、絶望的ではないよ、な。
 来年こそは、もう何の競技にも出ないぞ。菓子など喰いながらのんびりと観戦一本槍。今回はのんびりと菓子も喰っていられんかったものな。腹に詰めこんでは走れんと思っておさえていたのだが、結果をみれば、喰っても喰わんでも変わらんかったようだ。
「ういろう」と云うのが出たが、「ういろう」と云うよりは「モチ」といったカンジのものであんまりおいしくもなかったな。量は多かったがあれなら量少なくて良いからホンモノの「ういろう」が食べたかった。他にコカコーラ、バナナ、棒アイス、クッキー(これは居室にて)の特配。
 運動会の後は3連休なので助かった。
 10/10は総入浴で、私の工場は、午前中の最後に入浴となった。短い時間であったが少しは運動会の疲れをとるにはよかったようだ。身体が温まったのでホッとした。
 午後1時頃には、ロールケーキ2枚の特配。
 10/1 定期の体重・血圧測定。血圧は正常値。体重は61kgで前回より1kg減。
 10/2 年賀ハガキ購入出願。
 10/2 『所内生活の心得』に領置物の総量等の基準についての文加える為、回収された後再配布。
 「被収容者一人当たりの領置物の総量等の基準」
 1、被収容者一人当たりの領置物の総量
 領置物の総量は、「衣類の総数を保管する容量」と「衣類臥具以外の物の保管量」をあわせた量とし、その総数を領置缶2個とする。
 2、衣類の総数を保管するための容量は、個数を制限し、領置缶1個の4分の3とする。
 3、衣類臥具以外の物の保管量
 衣類臥具以外の物の保管量は、臥具及びトランク、大型バック等の不定型物を除き、領置缶1個と4分の1とする。
 4、前記領置の容量及び保管量を超えたときは、購入・差入れが制限される場合がある。
 5、受刑者の衣類の最大領置許可数 (品名―→最大領置許可数)
 丸首半袖シャツ・ランニングシャツ・メリヤスシャツ―→12、パンツ・ズボン下(パッチ・ステテコ・股引)―→14、靴下―→12、パジャマ(寝巻)―→2、手袋―→2、耳袋―→2。
 10/3 夏期処遇終了。
 10/13 工場扇風機使用、入浴後・運動の行き帰り・居室内の丸首シャツ姿の不許。運動用に貸与されていた丸首シャツ引き上げ。これらによつて夏期処遇が完全に終了。

[差入れ][9/29]新生498号、汚職大臣はヤメロ〈立志社〉 人民新聞9/5号〈日角八十治〉 風22号〈水田ふう〉 [10/7]死刑と人権No.98、林洋子ひとり語り 宮沢賢治の世界〈かたつむりの会〉 [10/9]26の瞳No.39、ゆきゆきて8号、生活支援に連帯を〈平山まゆみ〉 監獄人権センター通信No.16、シスタープレジャン希望の旅〈CPR〉 日雇全協ニュース86号〈日雇全協〉。いつも差入れどうもありがとう?
「かすみ草31号」のP12にある免田さんの文中、「通信有り難うございます。」から「日本の国家構造は」までの間の3行が抹消されているなぁ。また監獄内でのことだろうか。佐川さんのところのお母さんも農作業しているようだね。私の母も、農作業をして作ったものを食べているようだ。家庭菜園みたいなものだけど。でも健康にはよいのだろうな、きっと。干し芋ってのはなつかしいね、昔よく喰ったよ。大体私が小学校の頃は、いつもオヤツはふかし芋ばかりだった。それも青っぽい水芋って云われるやつで、焼き芋屋の黄色の金時なんか、うらやましかったものだ。
「救援341号」の5面の左上の投稿文らしきもの全文抹消だ。なんじゃ、コレ!
「支援連ニュースNo.181」の吉村さんの投稿をみると、東拘でも領置物の制限について告知放送があったようだね。やっぱり、どこでも困るわな。斎藤和君の面影シリーズ・第1回は対日特金闘争のことなど、ほとんど知らない私には、なるほどね、と。私がまだ中学生の頃だからなぁ。
 丸ちゃんの上告審の弁護人はいい人になってもらったねぇ。頑張ってほしい。K弁は、村上春樹風の小説も書くからね。読ませてもらうといいでしょう。ゆきちゃんの報告によると6月末から副食の量が減らされた、というのはおかしいね。主食の量が減ったのは全国的なのだが、それは、その代り副食のカロリーを多くする為だってことで副食の量は多くなる筈なのだが。それはゆきちゃんだけだったりして?!
 食事のことで言えば、東拘では病人用のメニューというのはけつこういろいろと種類があったよな。糖尿病用があったかどうか経験はないので確認していないが。私は、軟菜カユ食という病食を食べたことが何回かあった。通常出される内容とちがった副食だったな。パセリとチーズ等々。拒食9食以上やると出されたっけ。胃腸に負担をかけないようにってことではいないか。岐刑に来て驚いたのは、東拘であった病人食にあたるものが、なかったってことかな。カユ食といって、主食がオカユになっているものがあるが、副食は通常の内容のものが出されてくる。胃腸が弱っているような人間にも油ぎったものも出されたりするわけで、病人にとってはよくないように思う。かなり重病の人にはされなりに病人食が出されているのかもしれないが、私には確認できないな。これまで風邪で何回か入病している私の知る限りではないようだ。昔はあったようだが、古くからいる人から聞いた話では。やっぱり、予算の関係から削られたってことかしらん。
 国連へ提出された法務省レポートには再犯率は低下してきているということが書かれていたように思うけど、「現場」にいて感じるのはホントかいな?!ということだな。職員も更生してほしいと考えてやつているから、せっかく仮釈で出ていった人間がまた入ってくるとガックリとくるってのは、私も少しわかるけど、だからこそ、今の行刑のあり様でホントいいのかしらん?!と問い直し
、ホントに再犯率が低下していく改善に動き出していってほしいと思うね。吉村さんとゆきちゃんが少し書いている行刑の問題点は、そのとおりだね。
「風22号」のリキさん伝、ますますかいちょうだなぁ。1頁のカットの女性のようなのがその人かな。その関わった人脈をどんどん探っていくといろいろとおもしろいことがわかっていきそうだな。昔のアナーキストのつながりというのは、なにもアナーキストにとどまらず、コムニストやリベラリストあるいは右翼とどんどんつながつていくことだってあるかもしれないな。だからこそおもしろかったこともあったか?! 「百弐拾人聚」というのは、まだ検閲中みたいで、仮下げにならんなー。どうしたのが?手元にきたら、きっと読みますで。
 検閲中と云えば『入門監獄改革』という本もなんか時間がかかってるな。これまた何かしらでひっかかっているらしく検閲中。どうもこのころ抹消などの対象が多くなったのか、はたまた基準が厳しくなってきたのか。困ったものである。べつに読ませたって、たいして支障があるわけないと思うんだけどなぁ。
「ザ・パスポト64」で吉村さんの報告をみると『元刑務官の見た刑務所』という本6頁3枚が削除されて閲読許可されたって? 私の方は、本そのものが閲読不許可だつたぜ。P87,88,89,90,105のところかい。東拘では一部なのに、岐刑は過敏にも全部! しかし、一部であれ不当だけれど。岐刑ってのは、過敏すぎるなー、やっぱり。
 丸ちゃんの「日赤レバノン問題」で事情わかった。あいかわらず、ありがたい。レバノンの刑務所ってのは、よさそうだなぁ。他の房へ訪問してお祝いの言葉言えるし、プレゼントもできるし、いいなぁ。房内のカットもあって、こんなところかすこしわかったよ。今、レバノンも、シオニストとの戦争が激化しているようで、その影響がJRAの裁判にどういう変化をもたらすか。いい方向へいってほしいな。
「ごましお通信41号」、私は犬猫派です。逃亡中、ひとつ屋根の下、犬と猫と同じ釜のメシを喰ってしばらく暮らしておりました。
 ゆきちゃんやトシの論争(?)を読んで、私も何か言わなくちゃと思いつつ、どうもまとまったこと書けなくて、ただただ見ているけれど…あしからず。そのうち書くよう努めます。
 未決とちがってなんだかんだと時間がとられる(怠ける?)。ま、未決のときも同じだったかな。
 今回はこれにて失礼! では元気で! また! 1997.10.12 寿一記


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