〈定期第90信〉

 すっきりと晴れた青空の下、書き始めている今日は11/8、けっこう寒くはなっているのだが、少し前に2,3日続いた窓が白く曇るような日でもない。天気予報の今冬は暖冬ということなので、楽に冬を過せそうだ。
 いつもいつも思うのだが、なんて時が経つのが早いんだ。もう11月だ。あと少しで来年だ。若い時もこんなに時が早く経っていたろうか? 年が重なるごとに時が早く経っていくなんて、なんて不条理だ。
 体調は良好。気分も良好。
 10/28 7月に出品してあった収容者美術作品コンクールのための水彩画と文芸コンクールのための川柳が、入選して、水彩画にの方が佳作で、ノート1冊、川柳の方はもう少し良く1,000円の図書券がもらえた。もしかすると(?)私はヘボなのでは…とだんだん確信してきていたところだったので、ホッとため息をつけた。そりゃあ、ヘボより少しは上手と言われた方が嬉しいものな。ま、たとえ、ヘボだ、なんだのと言われようと、好きだからやる、やりたいからやるってのが私の思いであるけれどね。
 水彩画は、すでに書いたように、手がニョキニョキと乱舞(?)しているシケイロス風の絵で、題は「踊る」。どうも私は、写真から写したりするようなことが苦手でいつも描くのは、自分の頭の中にイメージを浮かびあがらせて、それを描くということになっちゃうな。
 そういう描き方の方が合っているようだ。昨年までは3,4年ほど田園風景を描き続けていたが、入選した人のなかに、けっこう田園風景を描いているのもあって、よく見ると技術的な面なんか、私よりずっと上手なんだよなー。私なんかまだまだだよ。
 絵に比べれば、川柳の方はクラブで6年ほど続けているし、本も読んで(!)それなりに何句もしていて、まあ、そんなヘボでもなかろうと、思っていたけれど、まさか賞品もらえるとは期待もしていなかった。才能はあまりないが努力で獲得したってところか?! 将司の俳句に負けないように毎日せっせと句でも作っていこうかね。
 10/28 「人」新聞10号、回覧されてきたので見ると保坂展人が大検のことについて二頁にわたって書いている。こういう人のも載せるようになったか、と思う。と言っても内容は、べつにどうってことはないものだからか。同号には青森刑のワープロクラブの報告なども載っていたっけ。岐刑では月1回半年間だが青森刑では月2回3ヵ月間とか。ワープロの機種も何回か変えているようだ。回転が早いのでよく使いこんでいるのかな。けっこう人気の高いクラブだそうだが短期刑の人が多いからってこともあるのかな。今はワープロも一般化していて社会に出てから必要になることあるだろうから、使えるようになっておいた方がいいだろうな、やっぱり。
 10/30 官給工場用靴下が夏物(薄)から冬物(厚)へ交換される。私は3足とも官給。1足が新品、2足が中古であった。この日舎房用の靴下(厚)も2足貸与される。こちらも1足が新品、1足が中古。
 11/3 肉まん、あんまん特配。
 11/5 畳乾燥。ちょっと曇ったりした日だったので、イマイチだったかな。
 わが工場が他工場とのソフトボール試合をやったけど、6対4で敗北。勝工場というのは、シーズンオフ(?)でもずっと練習をしているのではないかな。わが工場では試合の前1ヵ月くらい練習してるぐらいだからあかんのかもしれんなー。と云っても、私は野球なんかわからんので、観戦一本であるが。それでもわが工場でれんしゅうがてらやった紅白試合で(通称マンガ野球)には出てやったよ。しかし、小学生の時にやったぐらいだからなー野球は。ま、バッティングは、バッティングセンターでそれなりにやったりもしてたから、まぁ、なんとかといったところ。スポーツは楽しく遊べるのが一番でないかな。
 11/7 2枚目の毛布が貸与された。昨年より4,5日早いかな。ここのところ急に寒くなったりして、体調を崩す人も出てくるようになったからよかった。
 出所者に公共職業安定所での職業紹介をする、との分類課告知あり。今回初めてだな、コレ。出るまで6ヵ月以内で意志堅固な者に限るみたい。最近は不況で職安にも大した仕事はないのではなかろうか。出所者にはけっこう辛い状況かもしれない。そのうち刑務作業もヒマになってきたりして。
[差入れ][10/30]人民新聞10/5号〈日角八十治〉 ねっとわあく死刑廃止43号〈ねっとわあく〉 [11/7]キタコブシVOL72〈キタコブシ〉 ごこしお通信42号〈益永美幸〉以上。
 いつも差入れどうもありがとう!
『監獄通信65号』14頁の「作成後記」が全文抹消。23頁の「その他」のところの@の2行が全文抹消(「の」とその下の「記」の字はのこってるが)Aの2行も部分抹消。「7月17日交付の」から「20下段右から」の間と下の行の「1.5行分。」から終わりまで。こちらでは一宮署の記事は抹消なしでずっと読めている。
 「懲役マニュアル」と「私の体験から」はなかなかいいもので、参考になった。
『CPR News Letter No.16』 1頁の「リーガル・エイド・ソサイエラィの監獄訴訟」の次の項のが小見出しとも全文抹消。4頁、5頁全文(写真も)抹消。皮手錠の検証の件だろう。14頁、15頁の監獄をめぐる三つの事件の内容らしいが全文抹消。16頁のお知らせページの「大阪弁護士会が大阪刑務所に適切な医療を求め勧告」の終わりの「うけさせるよう刑務所長に勧告した。」の下から「法総研が「受刑者意識調査」を記者発表」の上まで全文抹消。そして、その記者発表の「施設処遇の改善を行うよう法務省に求める。」の下から、右側の「東京拘置所閲読不許可国賠訴訟控訴審で棄却の不当判決」の上まで全文抹消。そして、その項の「控訴を棄却する不当判決を言い渡した。」の下から「法務省に外国人受刑者の処遇問題で申し入れ」までの間全文抹消。今回はえらく頑張っとるなー。
 抹消されている内容というのは、ほとんどが監獄にまつわる事件ってことかな。
 一宮署の事件は、最近の記事(中日新聞)を読むと、留置所か取調室での暴行事件が原因とのことだったな。暴行の事実を隠ぺいしようとした結果っていう。トカゲのしっぽ切りじゃ問題の解決にはならんだろう。
 「支援連ニュースNo.182」。領置品規制というのは、全国的に行われているようだね。領置品といえば、私のところなどには、私に差入れ告知もされずに届いたらそのまま領置されてしまっているものもけっこうあるんじゃないかな。しかし、そういうものについてまで私が責任をもつ(?)のかしらん? 中川君がPARCに送ってもらっていた雑誌・パンフも届いているのだろうが告知なしだしな。これは、差入紹介に応答しなかったかららしいが。そうそう、ゆきちゃんが私のところに送ったという「ゆきQスケイメ」は差入れ告知ないよ。どうやら、ゆきちゃんは危険人物なので差入れについては、差入紹介も告知もせずに、そのまま倉庫行きということらしいか? 通常は差入紹介ぐらいそちらへ送ってもいいと思うのになー。そんなにゆきちゃんからのものはアブナイ(?!)のかしらん?
 差入れ紹介の手紙は岐刑からゆきちゃんの方へ送られてはいないわけだね。郵便局が紛失したということも可能性としてないわけでもないけれど。その場合、郵政省の監察局だったかな、そこに調査してもらうこともできる。私は、東拘にいた時、発信した手紙が相手に届くのが、いやに時間がかかりすぎるので郵便局に問い合わせの手紙を出したら、すぐに職員がわざわざ東拘にまで面会に来てくれて話をしてくれたっけ。
 岐刑に、ちょっと訊いてみるかな。ゆきちゃんから届いてないか、どうか。
 あ、チョコレートとコーヒーね。こちらでも、たまに味あうことができるぜぃ! 12/16の2,3級集会の菓子にPUチョコってのがあった。因に級集会の今回の菓子はA(PUチョコ、プリッツ、大納言) B(PUチョコ、プリッツ、沖縄産黒糖かりんと)で私はAを選択。コーヒーの方はブラックってのはなかなか飲めん。正月に1度飲めるだけ。コーヒー牛乳は月に1,2回パン食の時に出てくるな。板チョコは正月に出てくるときもある。ま、片手の指で数える程度だな、チョコもコーヒーも。まったく飲めないってわけではないのでご安心を。正月に甘酒が出なくなったのが残念無念といったところだが。最近は、わりと缶コーラが出るようになったな。東拘ではなかったので珍しいものの如く飲んでる。カップラーメンもここに来てから食べたっけ。麺がゴムひものようなのがどうも好かんけれど。ああ、ビールが飲みてぇ。
 9.13デモは盛況のようでよかったね。ゆったりとやっているようでいいな。
★2級になってテレビか自由に選択できるようになって、わりとおもしろい。この頃では見る番組は大体定ってきているな。土曜日のNHK『毛利元就』13:00〜13:50、20:00〜NHK教育『未来潮流』、日曜日の13:00〜13:30NHK『中学生日記』、18:00〜18:30TBS『報道特集』 18:30〜19:00朝日TV『宇宙船地球号』、19:00〜19:40NHK教育『ふるさとの伝承』、19:40〜19:55NHK教育『障害者の時間』、20:00〜NHK教育『新日曜美術館』、火曜日の18:20〜18:50NHK教育『素晴らしき日々』、19:25〜19:55NHK教育『みんなの手話』、20:00〜朝日TV『たけしの万物創世紀』といったところが毎回見ているな。あとは、ニュースとかをよく見る。土曜日には時たまNHKスペシャルがあると見るな。11/8にあった『家族の肖像―母と子の北アイルランド』ってのはよかった。われわれにとっても教えられること、考えさせられることがけっこうあったな。運動(闘い)の中でのゆきすぎ、不寛容さ、人民性とは何か等々。以前読んだ『父に祈りを』という本だったか(?)そこでもIRAの抱えている問題が少し見えていたけど。しかし、IRAだけの問題ってわけでもないものな。
★さて、そろそろ年賀状の季節ですな。来年は虎だったか。年賀状を書き始めると、そろそろ木枯らしの頃で寒くなるが、あぁ、私はもうしもやけができ始めたぜ。今冬は暖かい筈なのだが、どーゆうわけだろう。 では、元気でまた! 1997.11.10 寿一記


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