〈定期第92信〉

 かなり冷え込んできたもんだ。気温が激しく上下するので身体もついていくのが大変だ。こういう時は体調を崩して風邪ひきやすくなるので注意しなければならんな。丸ちゃんは大丈夫かしらん。充分な装備で気をつけてほしいものだ。恐い恐いと巷間で噂されてきている新型インフルエンザへの予防体制は万全かな。ま、予防体制といっても、予防のしようがないかもしれない。監獄にいて予防できるなんてことはちょっと不可能だものな。しかし、新型インフルエンザというものがそもそも出てくるのかどうか、それが問題だけれど。
 風邪、ふつうの風邪だけれど、今、私はひいてしまっている。もう治ってきているところだが、しばらく(一年近く)、たいした風邪らしいものひかなかったのだが、今回は久しぶりに風邪らしいものひいてしまった。のどの痛み、痰がひどくなって、おっひいちゃった! といったカンジ。
 たいして症状のひどくないものだったが、痰がしつこく出るのに困ったものだ。今もだが。
 風邪ひいて一番いやなのが、この痰が出るってこと。洟が出て、息がよくできず、頭がボーッとしてきて、考えごと、読書がしずらくなるので困るのだ。ただでさうボーッとしているというのに、次乗、三乗かしたら、こりゃたまらんござる。
 今回の風邪は、ほぼ2週間で治癒ってところかな。ま、ふつうの期間ってところか。
 毎度おなじみの霜焼けの方は、初雪をみた頃からできてきたな。すで足指が腫れてきている。暖冬であろうとなんだろうと冬だから出てくるというマジメさには頭が下がる。
 これから3ヵ月くらいは、おつきあいせんとならんわい。
 今月で'97年も終わり。
 年賀状書きも、たった2枚だから、すぐ終えてラクであった。東拘にいた頃は、200枚近く書いたこともあったので大変だったが。イラストを描くのもけっこうたのしんでやっている。なにせ絵らしいものを描くのは、年賀状のときと、収容者美術作品コンクールのときの2回だけだから貴重な機会だぁ。年賀状についてはイラストは1/3のスペースで描けということになっているので、こまかい絵しか描けんけれどね。筆ペン不可。青赤黒のボールペン色鉛筆のみ使用可ってことで色も限定され、来年のトラには黄色がほしい、と言っても全然ダメなのである。文は4行以内で、なんだかんだといろいろ書けんって制限もあるのだ。
 年賀状なのだから筆ペンの使用ぐらい許可したらいいのになぁ。筆で書けば年賀状らしくなるのだけれどな。
 12/1 無災害工場褒賞VTR『ラストマン・スダンディング』(ブルースウィールズ主演)。
 12/7 医務課VTR『ストップ・ザ・エイズA』第一法規制作ビデオ。
 11/28 総括面接回答。差入れ告知のないものについては調査できない旨の回答だったな。
 不許可処分をしたものについては、差入れ告知もせずに、そのまま領置してしまうということらしい。ゆきちゃんへ差入物についての照会のてがみもせず「浴田由紀子」という氏名だけで、不許可処分の根拠となっているってことなのだろう。ゆきちゃん、そうとう恨まれているんとちがうかぁ?
 というわけで、ゆきちゃんからの差入については私の手元には届いていない。
 今日(12/6)はなんかちょっと騒がしい。ハンドマイクでなにやら喋っているようだ。また、CAPICの直販会でもやっているのだろうか。時々出ているのを見ると、わりと客は多いようだ。安く買えるってのが魅力のひとつか。そりゃあ安いだろう、人件費がほとんどかからんからなぁ。
 そうそう、10/16に『山口刑務所木材工芸科職業訓練希望願』というのを出しておいたのだが、どうやら、またダメだったようだ。全国で3名か5名かだったか。とにかく職業訓練生というのは、毎回えらく少ない募集である。私の応募した今回のには、木工科と木材工芸科の二つの募集があった。工芸の方がおもしろそうだなと考えたのだけれどね。岐刑にも木工があるけれど、技術的なことはあまり必要ないみたい。木工の工場に居た人に聞くと、大体機械がやってくれるので、技術がなくてもいいそうだ。鎌倉彫りも機械がやるそうで、職業訓練にはならんのじゃなかろうか。ま、刑務所の作業ってのは大体がそんなものかもしれん。なんだかんだとつまらんことで懲罰になって工場からあがっていく人がけっこういるから、いつでも取り替えが効くように、技術の必要のないものとなっていくのだろう。トヨタの自動車工場も似たようなものだったりして……。
 職業訓練については、この先もあまり期待できないかもしれないな。ま、しかし、あきらめることなく、しつこく追求していくことはしよう。それとともに、余暇時間でもって将来のために役立ちそうなことをすこしずつ独習してゆくってことかしらん。
 刑務所のようなところでこそ、伝統工芸品みたいなものを身につけさせることによって、伝統技術を絶やさず存続させていけるのだけれどなぁ。国費でこそ、やっていくべきことではなかろうかと思うよ、私は。たいして金にならない、手間がかかるということで伝統技術がどんどん消えていっている現状にあって、必要なことだし、それが受刑者の社会復帰に大いに役立っていくのではないかな。今の刑務所は、いかに利益を上げていくかというところに重点がゆきすぎてるってこともあるかもしれない。しっかりとした「経営方針」を持ってたりして……。しかし、なんですよ、長期受刑者の場合、なんの技術も持たされず、放りだされても喰うに困ってしまうものなぁ。それなら長期であるという条件を肯定(?)的に考えて長期であるがゆえに身につけられる伝統工芸の技術を習得させたらいいのだよな。それならば、年老いて出獄したとしても、なんとかやっていける自信も力もつくだろうから。「人」新聞にも伝統工芸品を取り入れることによって地域の活性化もできる、なんてことも書いてあったしな。刑務所がどう地域との関係をつくつていくかっていうことを、そういった面から考え、つくっていくこともかんがえてほしいものだ。
 再犯率が何故ていかしないのか? 今の行刑内容に問題がないのか、ちゃんと考えてみてくれるといいのだが。規則でがんじがらめにしたって、人間が変わるわけではない。かえって面従腹背が上手になるだけだったりして……。以前「人」新聞に佐賀刑務所での個別カウンセリングの報告記事があって感心したのだが、問題囚(?)と個別に夕食後1時間位、定期的に話し合うことによって改善(?)していったというようなことだったな。要するに、話し合ってそれによって問題を明確化させていき、解きほぐしていくってことかな。そうしたことをもっと拡大していけば、再犯率も低下していくだろうけれど、今の職員数の少なさカウンセリング等の知識の内容などを拡充していかない限り、ちょっと無理かしらん。  現在の学校が監獄化しているってのは、当然だな。そもそも学校の成り立ち自体、監獄の成り立ちとおなじところからできているからなぁ。40人ほどの人間を担当1人で管理するってところななんかそつくり。そうなると一人々々にあった対応・処遇ってのはなかなか、ね。  しかし、現状を変えない限り再犯率の低下はとても希めないだろう。この間、出会ってきた人と話してみると、例えば殺人で再犯ってのだと、そこに至る理由を聞いてみると、臨床心理学の問題かな、と考えたりする。そういう場合、「行儀作法」をしみこませようとしてもかいけつしないと思うものな。
 保安管理の行刑でなく、更生の行刑ってのを考えてもらいたいもんだが。
 さて、ダイオキシン問題。岐刑でも塩化ビニール製のゴミについては分別して除き、焼却し始めたようだ。業者に持って帰ってもらえるものはそうしてもらうことになった。しかし分別してみると塩ビ製のゴミってけっこうあるもんだなぁ。今まで、これらを全てここの焼却炉で燃やしていたのだからえらいこっちゃ! どえれぇいダイオキシンが発生してたろうなぁ。ま、今も焼却炉の周囲はダイオキシンだらけだろうが……。

[差入れ][11/25]『インパクション105』〈インパクト出版会〉 支援連ニュースNo.183、シャコ通信No.1〈東武央〉 人民新聞10/15号、同10/25号〈日角八十治〉 模索舎月報11月号 救援343号〈QC〉 言いたい放題No.68〈高安イツ子〉 草の根通信300号、訴状、「24の瞳」ミニ号外、死刑囚支援者ら国を提訴〈平山まゆみ〉 [12/2]通信本当の自分を生きたい出版妨害訴訟〈インパクト出版会〉 読者のみなさまへ、新生501号、同502号〈立志社〉 風23号〈水田ふう〉 [12/5]人民新聞11/5号〈日角八十治〉以上。いつも、差入れどうもありかとう!
 「プチの大通り53号」老いてますます闘志燃えのようですね。チラシに、茶色のシミあり、あ、コレは荒井農場の堆肥の液がついたのであろう。あいかわらずアマランス耕しておられるかと思いました。鼻をつけて匂いをかぐまではしませんが……。『虹色のトロッキー』はあまりの呆気ない終わりにガックリきましたね、私は。丸ちゃんあちこちに若かりし頃の写真バラまいてるんか? 20歳前後は大体輝いてる頃なんだから、ええに決まっとる。最近は輝いてるところが違ってきたようだが。「ザ・パスポート65」の11頁の「沈黙の人」の文章(写真もかな?)は全抹消。泉水さんのことでも書いとったか。こういう内容までやられてしまうのか。いやはや! もち、赤チラシの泉水さんの氏名も抹消されとった。ルミエの居室は狭いなぁ。こちらの独居の2倍位か。台所は別にあるのかな。5人とも元気そうだからよかった。しかし、ボリビアでまたやられてしまったな。CIAの総力をかけてやってるんじゃなかろうか。これ以上、捕虜が増えないといいのだけれど。東拘が日本赤軍の拠点とならんように頑張ってほしいね。ここ2.3年、どーもいやなことばかり続く、そろそろ風向きが変わってもよさそうなのになぁ。不況の本格化拡大はそのひとつの兆候だったりして……、ってことないかしらん? では また!1997.12.7 寿一記


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