虹をわたる―D0N’TKlLL(殺すな)コンサート’97

 1987年2月と3月、「東アジア反日武装戦線」上告審の最終弁論と判決の日、最高
裁前の路上は全国から集まった300余名の仲間で埋まりました。色とりどりの旗やのぼ
り、楽器を持ち、ゼッケンやポンチョをつけた思い思いの方法で「大道寺さん、益永さん
を殺すな」「死刑・重刑判決粉砕」の声を上げました。
 あれから10年、大道寺将司さん、益水利明さんは死刑確定後、外部との交通を極端に
制限されながらも元気に生き抜いています。これまで2人の死刑執行を阻止してきたのは
「再審研究会」を中心とした緻密な再審請求の継続であり、多くの仲間たちの協力による
獄中一獄外共同訴訟であり、そして日本の海外侵略・天皇制を撃つ彼らの問題提起に共感
する少なからぬ人々の注目であったろうと思います。しかし一方で、法務省は死刑廃止の
世界的趨勢に逆行するように、93年以降96年末までの4年間に21人も処刑するとい
う暴挙を行なっており、今後も死刑執行の危機は続くと判断せざるをえません。
 2人の死刑確定から10年の節目である今年を執行阻止の新たな1年目としていく決意
を込め、そして現在恐るべき勢いで強行されている死刑執行を食い止め一日も早く死刑制
度を廃止させようとの願いを込めて、ニューヨークから帰ってくるサックスのMASAと
その仲間たちを迎え、7月12日(土)の夕方、「虹をわたる――Don’t Kill
(殺すな)コンサート ’97」を行ないます。MASAは87年3月の最高裁前でもサ
ックスを吹いていてその直後にニューヨークに渡ったので、「彼らの10年は私の10年
でもある」と言っています。彼女は毎年「殺すな!コンサート」のツアーをしながら日本
中をまわり、死刑廃止を訴えています。そこでは必ず彼女が作曲した大道寺さんの「明け
の星を見上げて」が演奏されます。
 今回のコンサートには、A−Musikと朴保バンドも趣旨に賛同して出演してくれる
ことになりました。それぞれの立場から音楽を通して鋭く深いメッセージを送り続ける3
つのバンドの共演は、力強い空間をつくりだすことと思います。では7月12日、新大久
保のR’sアートコートでお会いしましょう。

前売り:2500円 当日:3000円


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