前略、お袋殿。

 年度変わりということもありましょうか、このころ、処遇上の一部変化がありました。一つは食事の給与に関して。全体的に主食の量が減って、又、容器も変わり、その分、副菜が多少バラエティーに富むようになったこと。
 今まで、主食の等級は、1等から5等まであったものが、A食、B食、C食の三段階になったこと。私は、機械工ということで、前は、2等食であったところ、今回の変更ではA食になりました。2等食とA食の量を比べると、A食の方が若干減っていることになります。私の場合、冬になると食欲が昂進して、夏になると食欲が減退するという顕著な体質特性があります。さらに、朝は、配食をやっているせいもあって、ゆっくり食えないため、半分以上は残しますが、その分、昼・夕はほとんど全部食べるというパターンです。で、2等食からA食に替って、4月中は夜中、空腹感を憶えることもありましたが、5月に入り、気候が暖かくなってくると伴に、時には、夕食も多少残すようになってきました。
 容器は、従来が黄色っぽいズン胴型のものだったのが、色は、A食が藍、B食が水色、C食が浅葱、型はドンブリ型に替りました。
 全般的に、一般社会のそれに近づけるという趣旨だそうです。
 夜間個室にも、テレビ受像機が各室、備え付けになったこと。従来、夜間個室の場合は、テレビ視聴は、月に3回で、その都度、テレビ受像機を、順番で入れ出しして見ていたのですが、5月から、各室、備え付けとなり、優良室の場合は、週に3回(水、土、日)プラス(祝祭休日)視聴できるようになりました。とはいえ、番組内容的には、私の場合、どうしても見たいというものは、まず、放映になりませんから、特に「もうけた」という気はしません。しかし、他の個室の人たちにとっては、嬉しいことであるのは、まちがいないでしょう。
 3日から7日までの今回の連休の成果は、『正法眠蔵』の読解に前進がみられたことでしょうか。
                     1995,5,7 識 芳正拝


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