前略、お袋殿。

 31日、1日の二日間で、ジョン・グリシャムの『処刑室』を読みました。独房の広さは、アメリカの方が日本より、1m2ほど広いようですね。死刑囚の執行前は、アメリカの方が、「至れり尽くせり」と言えましょうか。申立の手段の数も、アメリカの方が多いでしょう。死刑囚の外部交通権に関しても、アメリカの方が充実していると言えるでしょう。この作品のポイントは、死刑制度の問題点を突きつつ、合わせて、アメリカ現代史の病理をえぐり出し、それを主人公「死刑囚」=サム・ケイホールの人生に象徴させている点にあると言えましょうか。
 18日の写真、見ました。歴史の風雪を深く刻み込んだ顔と、これから刻み込んでいこうとしているのが、未だ皺ひとつない顔との対比が、よかったですよ。
 年賀状印刷にも鋭く、世相が反映されるものだと、昨年末の年賀作業では感じました。前回も、電話番号にFAX番号を併記する例は、あった(1ケタ台)のですが、今回は、2ケタ台に増えています。さらに、今回は、電話番号・FAX番号にさらに携帯電話番号まで併記する例が2件ほどありました。こういった例は、前回はありませんでしたからね。そのうち1件は、「セルラ○○○○番」、“セルラ”とは商品名でしょう。
 『日米開戦』(上)(下)新潮文庫 各¥800。小説です。アメリカ人の作家が書いたもので、ストーリーは、太平洋戦争で家族を殺された日本人の復讐劇のようです。読んでみたいので、差入お願いします。
                          1996.1.3識
                           人生の4回生――芳正より


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